◎ ページ48
勝利side
聡「……もしかして、父さんは悪くないって言いたいの…？」
健「……っ！！」
聡の言葉に、何度も必死に頷く健人
そしてポロポロと涙を流しながら、俺の腕にしがみつくように必死に身を擦り寄せてくる姿に、思わずまた涙腺が緩みそうになった
勝「……ｯ、健人…」
聡「…僕も、僕も同じだよ父さんっ」
勝「………聡…っ」
聡「風磨兄ちゃんも、僕も、マリウスも、健人も、父さんが大好きだから…っ…だから父さんがそんな風に自分を責めたら、悲しいよ……」
健「………ｯ！」
身体が辛いはずなのに何かを伝えようとするかのように必死で俺に抱き着いてくる健人と、その背中を支えるようにしながら一緒になって抱き着いてくる聡
腕の中で肩を震わせながら涙で目元を濡らす二人の姿を、愛おしいと思わないはずがなかった
二人を抱き締める腕に自然と力が入る
勝「……ありがとう…ｯ…ありがとうっ…ｯ！」
こんな頼りない俺を
父親にしてくれて、ありがとう
健「………っ、」
すると健人の口元が、震えるようにはくはくと動く
拙い動きで
本当に正解だったかはわからないけれど
確かにそう空気を揺らしていた
"パパ ありがとう"
風「健人おはよう」
健「…っ！」
翌日目が覚めると、吐き気はだいぶ治まってきたようで、昨日よりは多少顔色のいい健人の姿が
そうは言っても高熱は下がりきっていないし、身体が火照ってぼんやりしているのは変わりない
胃腸炎の症状自体が落ち着くまでは絶食で栄養分が取れるのは点滴だけだし、そもそもこんな状態で食べる意欲も暫くは湧かないだろうから、また痩せ細ってしまうのかと思うと胸が痛む
そばにいてあげることしか出来なくてもどかしいけれど、昨晩の健人の姿を思い出して、俺はとにかく出来るだけ健人や息子達と一緒にいようと心に決めた
そして今日は土曜日
俺の仕事も、風磨達の大学もお休みだから
今日は一日ずっと家族一緒だ
聡「わ、健人汗もいっぱいかいてるね
これちょっと拭いたりしてもいいのかな？」
勝「どうだろう
まぁ点滴とか外れないように気を付ければ汗を拭くくらいはいいんじゃないか？」
いつも健人のことを一番見てくれているだけあって、細かいことにもすぐに気付く聡
マ「え！じゃあボクも一緒にやる！」
風「マリウスは何か引っこ抜きそうだからダメ」
マ「風磨兄ちゃんヒドイ！」
健「……笑」
少しずつ全員の表情にも
いつもの明るさが戻ってきた
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紫苑(プロフ) - なーささん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません。リクエストありがとうございます！順番に更新致しますので暫くお待ち頂けると幸いです！ (2021年11月5日 0時) (
レス) id: b5618e00f8 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ - 勝利くんが低血圧になる話が読みたいです！ (2021年10月14日 17時) (レス) id: dc50f807a8 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - kn_さん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません。リクエストありがとうございます！更新までお待ちいただけますと幸いです！ (2021年9月23日 17時) (レス) id: b5618e00f8 (このIDを非表示/違反報告)
kn_(プロフ) - 更新有り難う御座います！！ (2021年9月16日 7時) (レス) id: 26288553d9 (このIDを非表示/違反報告)
kn_(プロフ) - 服を触った時、たまたまお尻に当たってしまい、健人くんは腰が抜けて、震えて泣きながら座り込んでしまい、風磨が駆けつけて、様子を見て、自宅に返す。メンバーは仕事が終わってから健人君の看病に行ったら倒れていて、その後、事情を話し、看病をお願いします！ (2021年8月29日 16時) (レス) id: 26288553d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2021年7月21日 19時
