◎ ページ47
聡side
はっきりしない意識のなか、猛烈な吐き気に少し覚醒して、嘔吐してはまたぐったりしての辛いループを繰り返す健人の様子を家族みんなで見守っていた
点滴で補われているとは言っても、これだけ嘔吐と下痢を繰り返していては、健人の身体の中の水分が全部無くなってしまうんじゃないかと怖くなるほどで
そんな状況を繰り返して
気付けば早数時間が経過していた
朝から大学の講義を目一杯とっていたマリウスは午前2時を過ぎたあたりから眠気の限界がきたようで、健人が眠っているベッドに突っ伏すように眠ってしまった
そして家のことを色々やって、救急車を手配したり車で僕らを病院まで届けてくれたり、今日一日沢山気を張っていた風磨兄ちゃんもマリウスに続くようにベッドに突っ伏す
僕も眠気はあったけれど、今日は日中のんびりしていたし、何より健人のことが気がかりで完全に目が冴えてしまっていた
そしてそれは父さんも同じだったようで、欠伸ひとつすらせずに深刻な面持ちで健人を見つめている
勝「…聡が、教えてくれてたのにな……
健人のこと俺がもっとちゃんと見てたら、きっとこんなことにはならなかったのに…ｯ」
すると父さんはそう言いながら
酷く悔しそうに顔を歪めて俯いてしまった
"教えてくれてた"というのは
きっと数日前、僕が父さんの部屋を訪れた時のことを言っているんだろう
聡「……父さん、そんな事ないよ
僕たちだって健人がこんな風になるまで気付かなかったんだし」
勝「でも聡は一番に勘付いてはいただろ？
それなのに俺は…ｯ……ごめん、ごめんな健人…っ」
聡「父さん……」
酷く落ち込む父さんを励ましたいけれど、今は僕がどんなことを言っても違うような気がして
健人の手を握りながら俯く父さんを見つめ、言葉に詰まってしまう
病室にしばし流れる沈黙
すると、
健「………ｯ」
瞼を震わせ、静かに目を開けた健人が
父さんの姿を見るなりポロポロと涙を流し始めた
勝「どうした健人？！
苦しいのか？気持ち悪いのか？」
そんな様子に慌て始める父さん
僕も心配で思わず顔を覗き込むと、健人が震える手を必死に動かして父さんの手を握り返す
勝「………健人？」
健「………っ！…ｯ」
泣きながら必死に首を振る健人
言葉にならない気持ちを必死に伝えようとする姿に、なんとなくだけれど伝わってくるものがあった
聡「……もしかして、父さんは悪くないって言いたいの…？」
勝「………っ…」
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紫苑(プロフ) - なーささん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません。リクエストありがとうございます！順番に更新致しますので暫くお待ち頂けると幸いです！ (2021年11月5日 0時) (
レス) id: b5618e00f8 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ - 勝利くんが低血圧になる話が読みたいです！ (2021年10月14日 17時) (レス) id: dc50f807a8 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - kn_さん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません。リクエストありがとうございます！更新までお待ちいただけますと幸いです！ (2021年9月23日 17時) (レス) id: b5618e00f8 (このIDを非表示/違反報告)
kn_(プロフ) - 更新有り難う御座います！！ (2021年9月16日 7時) (レス) id: 26288553d9 (このIDを非表示/違反報告)
kn_(プロフ) - 服を触った時、たまたまお尻に当たってしまい、健人くんは腰が抜けて、震えて泣きながら座り込んでしまい、風磨が駆けつけて、様子を見て、自宅に返す。メンバーは仕事が終わってから健人君の看病に行ったら倒れていて、その後、事情を話し、看病をお願いします！ (2021年8月29日 16時) (レス) id: 26288553d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2021年7月21日 19時
