◎ ページ38
聡side
あの日から1週間
まだ健人くんが目を覚さない不安な状況の中、今日はどうしてもリスケしてもらえなかった雑誌の取材を4人で受けている
いつも騒がしい楽屋も、今日は終始静まりかえっていて息が詰まりそうだった
風「……本当ですか?!
行きます!今すぐ行きます!!」
そんな中で突然楽屋に響いた風磨くんの大きな声
それに驚いて顔を上げると、電話を切った風磨くんの顔は泣きそうに歪んでいる
勝「…風磨くん何かあった?」
風「さっきチーフマネから連絡あって…中島が目覚ましたって…ッ!」
聡「ほんとっ?!」
マ「よかった…ッよかったぁぁ」
嬉しい報告に思わず涙腺が緩む
必死で我慢したけれど、泣き出したマリウスにギュッと抱き着かれて、結局僕も涙が止まらなくなった
それから撮影を猛ダッシュで終わらせて、4人で急いで病院に向かう
拘束されていたのが5日間、眠っていたのが1週間
健人くんと直接話せるのが約2週間振りだと思うと妙に緊張してしまって、病室に着くまで僕はガチガチになってしまっていた
風「じゃあ開けるな」
風磨くんが先頭に立ってドアを開ける
久しぶりに会える、大好きな健人くんに……
健「……ッや、来ないで、っ…!!」
だけど、予想に反して返ってきたリアクションは、僕らを拒絶するもので
一瞬頭が真っ白になる
勝「健人くん?俺だよ?勝利だよ…?」
健「……こわい……やだ…ッいやだ…‼︎」
いつも健人くんが可愛い可愛いって猫可愛がりしている勝利でさえも、近寄って行くだけでその痩せ細ってしまった身体がガタガタと震えている
風「お前ら一回外出るぞ
……中島、無理させてごめんな」
すると、ショックで呆然としている僕たちに声を掛け真っ先に病室を出て行こうとする風磨くん
でもその声は少しだけ震えていて、風磨くんの動揺とショックが伝わってきた
マ「健人くん…ボクたちのこと忘れちゃったのかな…?」
勝「俺、健人くんに怖いなんて言われたの初めてだった…ッ…思ったより、キツいね…これ…」
勝利の綺麗な瞳からポロポロと涙が零れ落ちる
マリウスの瞳も不安げに揺れていて、風磨くんはそんな2人の肩を纏めて抱き寄せた
風「大丈夫、中島がお前らを嫌うわけねぇから
今は混乱してて中島も辛いんだと思う…時間はかかるかもしれないけど、ちゃんと俺らが支えてやろう」
自分も辛いはずなのに、ブレない風磨くん
風磨くんの力強い言葉に僕たち全員集合が頷いた
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紫苑(プロフ) - なーささん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません。リクエストありがとうございます!順番に更新致しますので暫くお待ち頂けると幸いです! (2021年11月5日 0時) (レス) id: b5618e00f8 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ - 勝利くんが低血圧になる話が読みたいです! (2021年10月14日 17時) (レス) id: dc50f807a8 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - kn_さん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません。リクエストありがとうございます!更新までお待ちいただけますと幸いです! (2021年9月23日 17時) (レス) id: b5618e00f8 (このIDを非表示/違反報告)
kn_(プロフ) - 更新有り難う御座います!! (2021年9月16日 7時) (レス) id: 26288553d9 (このIDを非表示/違反報告)
kn_(プロフ) - 服を触った時、たまたまお尻に当たってしまい、健人くんは腰が抜けて、震えて泣きながら座り込んでしまい、風磨が駆けつけて、様子を見て、自宅に返す。メンバーは仕事が終わってから健人君の看病に行ったら倒れていて、その後、事情を話し、看病をお願いします! (2021年8月29日 16時) (レス) id: 26288553d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫苑 | 作成日時:2021年7月21日 19時