◎ ページ32
風磨side
勝利の提案で酔い覚ましに夜道を歩いていると
さっきまでフラフラと危なかっかしい足取りだった中島が急に少し先まで走り出す
風「……ちょ、中島ｯ」
心配で思わず声が漏れた俺を気にも留めずに俺たちの元から10mほど離れ、笑顔でこちらを振り返ったアイツの背後に黒い何かが近寄ってくる
風「……っ！！中島！！！離れろ！！！」
しかし俺の声が届くより先に
中島の動きは封じ込められてしまった
健「……きくちっ…！」
中島の背後から腕を回す男の姿
身長差から察するに中島よりも10cmは高そうな大柄の男。目深にニット帽を被りマスクをしているせいで顔ははっきり見えないが、動きの俊敏さからして恐らく俺たちとさほど年齢も離れていなさそうだ
きっと体力も、力もあるだろう
何より中島の首元に当てられている、暗闇の中でも鈍く光る刃物
刃渡りはそれほど長くないが、今それを動かされたら確実に頚動脈が切れる位置に添えられている
動きからして、手慣れた犯行だろう
人通りの少ない時間を狙って襲いかかり、金品を強奪する手口だろうか
恐らく中島が俺たちの元から離れたことで、1人だと勘違いされてターゲットにされてしまった
あの瞬間、意地でも手を引いて引き戻せばよかったと後悔が襲いかかってくる
犯人「なんか見たことある顔だと思ったら
お前らあの有名な事務所のアイドルじゃねぇか？
名前は知らねぇけど」
そう言って不敵な笑みを浮かべる相手
犯人「すげぇ大物引っ掛けちまったな！
事務所に請求すりゃいくら貰えんだよこれ！」
急に高笑いをしだし揺れる手元
刃先が中島の白い頬を僅かに掠めた
健「……ったｯ…！」
風「中島！！！」
犯人「動くな！！！」
思わず足が前に出た俺たち4人を牽制するかのように再び中島の頚動脈にしっかりと向けられた刃先
それに俺たちは一歩も動くことが出来なくなる
犯人「あ〜あ、商品に傷が付いちまったな
確かに綺麗な顔してるもんな、あの事務所の奴らは」
そう言って中島の頬に滴る血を拭おうと手を這わせる
その動きに警戒した中島がビクッと身体を震わせた
健「……やっ…ｯ」
犯人「ハハッ、イケメンのくせに随分と情けない反応するんだな…でもそれ、むしろ気に入ったわ」
そう言うと、あろうことか中島の衣服の隙間から手を這わせ始めた男
中島の目には恐怖と屈辱で涙が溜まっていく
風「……っ…」
助けたいのに刃物が視界にチラつき
俺は一歩も動くことが出来なかった
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紫苑(プロフ) - なーささん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません。リクエストありがとうございます！順番に更新致しますので暫くお待ち頂けると幸いです！ (2021年11月5日 0時) (
レス) id: b5618e00f8 (このIDを非表示/違反報告)
なーさ - 勝利くんが低血圧になる話が読みたいです！ (2021年10月14日 17時) (レス) id: dc50f807a8 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - kn_さん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません。リクエストありがとうございます！更新までお待ちいただけますと幸いです！ (2021年9月23日 17時) (レス) id: b5618e00f8 (このIDを非表示/違反報告)
kn_(プロフ) - 更新有り難う御座います！！ (2021年9月16日 7時) (レス) id: 26288553d9 (このIDを非表示/違反報告)
kn_(プロフ) - 服を触った時、たまたまお尻に当たってしまい、健人くんは腰が抜けて、震えて泣きながら座り込んでしまい、風磨が駆けつけて、様子を見て、自宅に返す。メンバーは仕事が終わってから健人君の看病に行ったら倒れていて、その後、事情を話し、看病をお願いします！ (2021年8月29日 16時) (レス) id: 26288553d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2021年7月21日 19時
