七色幸せ笑話【短編集】 (ページ17)

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「こんなに……あるの？」

「うん。後は用具のチェックと、洗濯と…」

「洗濯っ？」

「うん。選手のユニフォームは、基本学校でマネージャーが洗うの」

「へぇ～」

マネージャーって、その部のマスコット的な？
お飾りみたいな存在なんだって、勝手に思ってたけど、想像以上の仕事量に驚いた

それ以上に驚いたのは、3月いっぱいで辞めるマネージャーの退部理由

『ウワサで聞いたんだけど、あの子村上くんにフラれたから、サッカー部辞めるらしいよ？』

…‥なんだそれ
責任感、なさすぎじゃない？

その上

「おぅ。原田さん、どんな感じ？」

私のいない所で

「あ～……手際が悪いし、仕事覚えも悪いし…どうかなぁ？」

村上くんに悪口言わないで欲しい

……てか、ちゃんと聞こえてますからね

散々、私の事を悪く言って辞めていった彼女。だけど、後輩からの人望は厚かったみたいで

「原田先輩、これお願いできますか？」

「原田先輩、あっち片付けてもらっても良いですか？」

学年は上でも、マネージャー歴でいったら、私は1番後輩

『遠慮しないで、全部原田さんに任せればいいから』

元マネージャーの言葉に従い、どんどん回されてくる仕事

「はぁ……またか」

どうしても部活の時間中に終わらせる事が出来なくて、居残りもしばしば

そんな時、声を掛けてくれて手伝ってくれるのは

「原田先輩、またっすか？」

「……森田くん」

2年生の森田くんだった

「ホント、仕事遅いっすね」

「仕方ないじゃん。やる事多すぎなんだもん」

「これ、片付けたらいいんすか？」

「うん。ごめんね？」

「いいっすよ、このくらい」

手伝ってもらうだけじゃなくて、森田くんにアドバイスもらって、仕事の要領がわかってきた頃

「原田さん、ちょっとええ？」

「う…うん」

いつになく、険しい顔の村上くんに呼ばれた