十一日目 9時 ページ8
ついに昨日。
あの出来事の後。
鴎外さんとまともに話すことは無かった。
何を聞かれてもオドオドし、生返事をした。
そんな私を見てエリスちゃんは不思議そうに首を傾げた。その場にいた鴎外さんも同じような表情で傾げた。まるで、あの瞬間の記憶が綺麗さっぱり抜け落ちたかのように。まるで、私だけが夢をみていたかのように。
いや、もしかしたらあれは本当に夢だったのかもしれない…………と、数秒後に首を振る思考を何度もするぐらいに。
「どういうことなの……」
思わず口から漏れた。
「お困りごとかえ?」
それを聞いた第三者改め第二者こと――
「……紅葉さん」
「すまぬ、何度もため息を吐く音が聞こえてのう……あまりに心配になってノックを忘れた」
「あはは……大丈夫ですよ」
寝転んでいたベッドから身を起こし、受け答えをする。
「……それで、御用件は?」
「プレゼントじゃ、介抱祝いのな……手を出せ」
そう言って帯から手に落とされたのは……
「くちべに、ですか」
「覚えていないかえ?」
「いえ、憶えてます……これは……」
三日前の、思いっきり着飾られたときに差したヤツだ。ブランドとかよく分からないけど、これは恐ろしい程に私の唇に馴染んだ。よほど高価なモノか、もしくは――
「……ありがとうございます、大切にします」
「そう云われると用意した甲斐があったものじゃ」
そう言って破顔する紅葉さんは、女の私から見ても美しい。綺麗とか、恰好良いといったモノを、一蹴する。もっと、神秘的で妖艶な何かが彼女にはある。
「ん?……
「あっ、いえ……」
見惚れてしまっていた、なんて言えるわけがない。
「若しや、口紅を贈ったことが気になるのか?……マセてるのう」
ふふっと、紅葉さんは楽しそうに笑った。
(
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臣民(プロフ) - 坂竹会長さん» 返信が遅くなってしまい、誠に申し訳ありません……!お互いに無理のない程度に頑張っていきましょう!^^ (2019年6月6日 21時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - すッッッッッッッ(殴みません((!! 習い事の試験やら、学校という悪魔やら風邪やらなんやらで全然開けてませんでした…;;(笑)続編…!!更新頑張ってください!!私も頑張りまs((蹴発火 失礼しました_;;ーд#_ (2019年6月3日 8時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - もくれんさん» ありがとうございます!より一層、精進してまいりますので、よろしくお願いいたします! (2019年5月12日 22時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
もくれん(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも頑張って下さい! (2019年5月12日 18時) (レス) id: b1b6b426cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:臣民 | 作成日時:2019年4月21日 19時