十二日目 10時 ページ12
――――――……と、言うことがあってね」
ようやく、私の話が一段落つく。
目の前の人物は大きな瞳をぱちぱちさせるだけだ。
「……私、鴎外さんがお父さんだなんて信じられないよ」
「……確かに、“困ったことがあったらぼくの所においでねー☆”とは云ったけどー」
Qはムスッとした顔で返事をする。
「やっぱり、Aさんは知りたいんだね」
こっそり忍び込んで“私の話を聞け”と言わんばかりに話しかけたのが数分前。その間、Qは怒涛の言葉の雨を何も言わずに聞いていた。
「ま、そうだよね。あーんなにぼくに縋りついて来るんだからさ☆」
「あーんなに……?」
「いいの、いいの! こっちの話だから!」
思い当たる節を探していると一蹴された。つまり、少なくともQにはどうでもいい話だったということだ。
「本当は教えたいよ? でも、教えるとAさん壊れちゃうんだもん!」
ぼくみたいに!、と謎の怒り方をしてQは話し続ける。
「だからね、ぼく、決めているんだー☆ 絶対にAさんに伝える、それも間接的にってね」
「そんなこと、可能なの……?」
「できるよ!」
高らかに宣言するとQはえっへんと胸を反らせた。
「だって、ぼくが頑張ればいいんだから!」
楽勝だよ、なんて無邪気に笑って人形を抱きしめる。
――その姿が、どこか悲しげに見えたのは気のせいだろうか。
「…………ところで、Q」
「なぁに?」
「さっきの“私が壊れる”って、どういうこと?」
「えっと……それはね……」
Qは空を仰いで言葉を探している様子だったが、急にこちらを向いたかと思うと笑顔で告げた。
「いつか分かるよ、だから今は気にしないで☆」
(何時か、五日、いつか)
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臣民(プロフ) - 坂竹会長さん» 返信が遅くなってしまい、誠に申し訳ありません……!お互いに無理のない程度に頑張っていきましょう!^^ (2019年6月6日 21時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - すッッッッッッッ(殴みません((!! 習い事の試験やら、学校という悪魔やら風邪やらなんやらで全然開けてませんでした…;;(笑)続編…!!更新頑張ってください!!私も頑張りまs((蹴発火 失礼しました_;;ーд#_ (2019年6月3日 8時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - もくれんさん» ありがとうございます!より一層、精進してまいりますので、よろしくお願いいたします! (2019年5月12日 22時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
もくれん(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも頑張って下さい! (2019年5月12日 18時) (レス) id: b1b6b426cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:臣民 | 作成日時:2019年4月21日 19時