第二十話 好きなこと ページ22
日課を行い、一段落ついたおかげか
心なしか精神が安定してきた。
私とて、本当に働けないときは働かない。
死んでしまっては、
そんな時は決まって、図鑑を読む。
幼い時に与えられた、今でも大切な物。
本棚から取り出して、机と向かい合い、
本を広げる。
私は、小さい動物や、花、蝶が好きだ。
でも、触れたことは、ない。
「A!」
コンコン、と扉を叩く音が。
私を呼ぶ声が、する。
ノック音に急かされながらドアを開けると
「遊びに来た!」
ニコニコと笑う、私より、小さい、女の子。
「エリス様……」
「様、じゃない」
「……エリスちゃん」
そう!と満足気に笑う。
妹のようで、本当に可愛い。
「入ってもイイ?」
「はい」
返事をすればお邪魔しまーすと入ってくる。
すると、出しっぱなしにされていた本に目をつけ、読み始める。
その様子を横目に見て、チョコレートケーキを用意する。
勿論、御供の紅茶の準備も忘れずに。
「見て、A! 可愛いお花や動物がいっぱいよ!」
「そうですね」
机の上に、ケーキと食器を置き、
新たな水を入れた薬罐の様子を見に、キッチンへ戻る。
――私とは違う、低い身長。
――ああ、可愛いな。
……エリスちゃんは、首領の所に行くと、時折いる。
私なんかより、余程彼女と居た方が、首領は嬉しいだろう。
「あのね、あたし、昨晩、遊んだの」
「誰と、でしょうか」
「Qよ。 分かるでしょ?
座敷牢は朝も夜も無くて、何時でも遊べるからイイ」
そして今日はAと遊ぶの!と言って此方を見る。
それに笑みで返し、沸騰具合を計る。
(火の元注意)
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蒼(プロフ) - 1でお願いします! 更新頑張ってください!!続き楽しみにしてます!! (2018年4月8日 21時) (レス) id: 7443137317 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - みぃさん» 原作第五十話に続くような形で書かせて頂きました。二三回読める話をモットーとしておりますので、深く考えていただけたら嬉しい限りです。更新頑張ります! (2018年4月7日 11時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 最後ので涙がブワッと…エリスちゃぁぁああん!! 更新楽しみにしています! (2018年4月5日 16時) (レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - **楼椛**さん» いえいえ!応援有難う御座います。たっぷりお楽しみください! (2018年3月26日 20時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
**楼椛** - 初コメ失礼します!今日初めて拝見させていただいたのですが、とても面白いです(ありきたりな言葉ですみません) 更新頑張ってください!これからも森さんを楽しみにしてます!←← (2018年3月26日 19時) (レス) id: e7e0abd8b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:臣民 | 作成日時:2017年10月22日 9時