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第十五話 偽善 ページ17

「ところで、短刀の訓練は順調の様ではあるが……
 演技術(いろじかけ)の方はどうじゃ?」
「それは、まぁ……」


紅葉先生に出来ているとも、いないともいうのは、
灰汁(あく)どいと思い言葉を濁す。

狡いやり方だ。


「では、抜き打ちとして中也にでも仕掛けてくるか?」
「中也様に、ですか」


何だか後ろめたさを感じる。


「なに、一種の訓練(リハビリ)じゃ」


紅葉先生の御ふざけと、理解はしている。
いるのだが……


「心配はいらぬ。
 上手くできたら仕事を与えてもらえるように、
 (わっち)からも首領に云ってやろうな」


好々(よしよし)、と再び頭を撫でられる。


――“仕事を与えてもらえるように”。


その言葉に過敏に反応する。

――私は何て意地汚くて浅ましいのだろう。
まるで尻尾を懸命に振る犬ではないか。

如何にも、“待ってました”と言わんばかりに。


――……それでも。


私は、首領のためになら、全てを捧げ、何だってしてみせる。
“それ”ために、中也様を道具としようとも――

――だから、御免なさい。
と、心の中で謝り、紅葉先生を見る。


「……それはいつ行いますか」
「今じゃ」


「いッ……!?」と声が出かけて止まる。


「今は亥刻。 丁度いい時間であろう」


その言葉を聞いて一つ、深呼吸をする。
そして、覚悟を決める。

全ては首領のために。


 


(全ては私のために)

第十六話 柏村→←第十四話 先生



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 森鴎外   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 1でお願いします! 更新頑張ってください!!続き楽しみにしてます!! (2018年4月8日 21時) (レス) id: 7443137317 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - みぃさん» 原作第五十話に続くような形で書かせて頂きました。二三回読める話をモットーとしておりますので、深く考えていただけたら嬉しい限りです。更新頑張ります! (2018年4月7日 11時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 最後ので涙がブワッと…エリスちゃぁぁああん!! 更新楽しみにしています! (2018年4月5日 16時) (レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - **楼椛**さん» いえいえ!応援有難う御座います。たっぷりお楽しみください! (2018年3月26日 20時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
**楼椛** - 初コメ失礼します!今日初めて拝見させていただいたのですが、とても面白いです(ありきたりな言葉ですみません) 更新頑張ってください!これからも森さんを楽しみにしてます!←← (2018年3月26日 19時) (レス) id: e7e0abd8b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:臣民 | 作成日時:2017年10月22日 9時

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