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第八話 ずぃーへると ページ10

「エリぐえっ」


突然の頭突きに何が起きたか分からない。


「…お母、さん」
「…」


エリスちゃんが私に抱きつく。

…嗚呼、最低だ。
きっと探し回ってくれたんだね。

こんなに小さな体が震えて…怖かったろうに。
不安だったろうに。


「…お母さん。出よう」
「そうだね」


不思議なことに夜目が効くのか出口まで引っ張ってくれた。

いや、夜目が効くんじゃなくて
暗闇に目が慣れるくらいここで探してくれたんだろう。



「…ッ!眩し…」


ああ、出たんだ。座敷牢を。
改めて思う。


「お母さん、リンタロウのとこへ」
「どうして?」
「リンタロウにお母さんがいないって言ったら」

『それは大変だね』

「って、言って町や此処全部に捜索願出してくれた」



何やってんスか鴎外さん。
もはや行方不明者じゃなくてお尋ね者だよ。


「…って!はやく見つかったって言いに行かなきゃ」
「うん」


慌てて廊下を

「A様?」


走らせて下さいお願いします。
そして跪かないでくれ。鴎外さんの指示どこ行った。


「ヒグチ!」
「え?この人が?」


ヒグチさんの第一印象、綺麗な人。そしてお姉さんみたい。
…というか様付け!

「見つかったのですね。良かったです」
「あはは…跪かなくていいし、敬語も様もやめていいよ〜」
「ではAさんと」


立つ動きもサマになっている。そして、
真面目だこの人。


「…あ!鴎外さんのとこに行かなきゃ!」
「あ、Aさ」
「またね!ヒグチさん!行くよエリス!」


そうして鴎外さんの元へ駆けていく。



そして残った彼女は過ぎ去る2人を見ながら


「…連絡なら…私が…しましょう…か…」


そう、呟くのだった。


 


(時すでに遅し)

―――――――――――――――――――――――――…

ずぃー…独逸語で 彼女は
へると…独逸語で 英雄

つまりは『彼女は英雄(ヒーロー)』
“彼女は”の“彼女”はエリスちゃんのことです。
暗闇から救った英雄、ということで。

第九話 千客万来→←第七話 堂廻目眩



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , エリス , オチまでが未定   
作品ジャンル:アニメ
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臣民(プロフ) - ハニーさん» まだエリスちゃんの正体が明かされていない時でしたからね……。その設定で大丈夫だと思います! (2019年2月3日 10時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 此処でのエリスちゃんッて普通の子供設定なンですか? (2019年2月2日 16時) (レス) id: ec7085eabe (このIDを非表示/違反報告)
エリザベート(プロフ) - 4番希望で!! (2016年9月1日 12時) (レス) id: 4126f800ee (このIDを非表示/違反報告)
みるの - 4を希望します! (2016年8月31日 1時) (レス) id: ae8c0f0041 (このIDを非表示/違反報告)
夜月☆彩(プロフ) - 1が読みたいです! (2016年8月30日 22時) (レス) id: 89f03b0b28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:臣民 | 作成日時:2016年7月28日 22時

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