第五話 此処 ページ7
「そんなことがあったんだね」
「はい。他の人にも跪かないで、とか言ってくれませんか?」
「A君が望むならね」
鴎外さんにさっきのことを話した。
意外にも面白そうに聞いてくれた。
「そうそう…地図貰えませんか?」
「地図?…残念だけど無いよ?」
「え…?」
確かに家の地図がある方が不思議だ。
しかし、こんな豪邸なら地図の1つや2つあっても…
「知っての通り、ここはマフィアだよ。
地図があると敵に情報を与えるのと同じだから無いよ」
すみません初耳です。
「えっと…マフィア?」
「あれ?言ってないっけ?」
おっかしいな、と頭を掻きながら教えてくれた。
「ここはポートマフィアといってね。
…異能力って分かるかい?」
「いいえ分かりません」
「…まぁ、特別な力だよ。それを持つのが異能力者」
成程、理解できない。
…いや、理解できることが1つある。
「じゃあ私捕まっちゃうじゃないですか!」
「それは大丈夫だよ。
私がいる限り、エリスちゃんとA君は私が守る!」
…守りたいもの順に言ったかな?
エリスちゃんがいる限り私は2番目と。
「…だから地図は無いよ」
「そうですか。ご丁寧に有難う御座います」
「ねぇ、何してるの」
「エリスちゃん!」
「エリス!」
うわ鴎外さん反応速い。
「今、お母さんと此処について話していたんだよ」
「ここ、広くて…迷子になりそうだから
地図あるかなーって。」
「じゃあ案内する」
「本当?エリス、ダンケ!」
「エリスちゃん、私は」
「ダメ」
「はい」
…二人っきりか。
あれコレ他から見たら子が親に教える形だ。
「いつ行く?」
「明日でいいと思うよ」
「じゃあ明日」
「…エリスちゃん。ケーキ店の予約は?」
「甘いは正義。けどお母さんの方が大事。
そんなのも分からないの?」
「ごめんよエリスちゃん!」
ごめんよ鴎外さん!そしてケーキ店!
…待てよ。明日以外にしたらケーキ店行けるんじゃないかな?
「別に明日じゃなくてもいいよ?」
「もう予約はキャンセルしたよ?」
…鴎外さん!後に戻れなくなったじゃないか!
「なら、お母さんと此処を案内」
「だ、ダンケ。エリス」
嗚呼…罪悪感がすごい…
(予定は決まった)
―――――――――――――――――――――――――…
ダンケ…独逸語で ありがとう
ちょくちょく独逸語入れては解説します。
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臣民(プロフ) - ハニーさん» まだエリスちゃんの正体が明かされていない時でしたからね……。その設定で大丈夫だと思います! (2019年2月3日 10時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 此処でのエリスちゃんッて普通の子供設定なンですか? (2019年2月2日 16時) (レス) id: ec7085eabe (このIDを非表示/違反報告)
エリザベート(プロフ) - 4番希望で!! (2016年9月1日 12時) (レス) id: 4126f800ee (このIDを非表示/違反報告)
みるの - 4を希望します! (2016年8月31日 1時) (レス) id: ae8c0f0041 (このIDを非表示/違反報告)
夜月☆彩(プロフ) - 1が読みたいです! (2016年8月30日 22時) (レス) id: 89f03b0b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:臣民 | 作成日時:2016年7月28日 22時