【文豪ストレイドッグス】幼女に「お母さん！」と言われた (ページ38)

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第三十話　落ちた本（編集しました）ページ38

「…？」

本を拾う男。
ページをめくる音が廊下に響く。

外も五月蠅い。心の動機も五月蠅い。

「…」

“彼女”は無事だろうか。
そんな考えを消すようにページをめくる。

ただの暇つぶしだ、とでも言うように。

―――――――――――――――――――――――――…

　「…少しいい？…」

　「どうかな？これなら安全じゃないかな？」

　「…でも、まぁ、仕方ないよね…」

　「本当に、仕方ないよね……」

―――――――――――――――――――――――――…

貴「…」

嫌な夢を見た…と思う。
覚えていないが、直感で嫌な夢だと思う。

いつも通り教室に向かう。

貴「…っ」

そこには、五月雨さんの屍が。
何度見ても、屍だけは無理な気がする。

ア「お早う…あれ？占い師はもう駄目なようね」
森「麻里ぃ！……あ、ああ…！」
前「鉄分の匂い…。やっぱりか」
貴「も、森くーん…」
森「やっぱり、もう、駄目だ…もう…。奇襲なり吊るなりしろよ…」

彼女を失い放心状態の森君。

ア「じゃあもうこいつでいいよ」
前「色んな時間飛ばして投票で吊るってこと？」

『朝です。一定時間後に昼の自由時間を迎え、話し合いです』

前「…無理みたいだね。しかも４人の偶数進行。もとい今日で決着かな？」
ア「暇、寝る」
前「なら僕は探索ついでに…っと」

そう言い２人は出ていく。

貴「…本当に大丈夫ですか？」
森「……」

余程ショック何だろう。

森「覚悟はしてたけどさ…いざこうなるとさ…」
貴「…」

放って置けないので傍にいることにした。
人が居なくなるにつれてどんどん考えて行動していかなくなったように思える。

『話し合いを始めて下さい』

森「…」

ア「こいつでいいよ」

前「早いね。仕方ないし３人で議論しようか」

貴「あ、そうだ。狩人って、どう思います？」

前「生存の話ならもう消えてると思ってるよ」

ア「同じく」

貴「言いそびれたんですけど、２日目に花村君と黒井君が喧嘩してて…
　黒井が狩人何だろ守れよ、的なこと言ってました」

前「そう」

ア「花村は意外に怖いよ」

前「それで？」

貴「思ったんです。聞いた限りの喧嘩の反論の最期で
　黒井君『ヤメロ』って言おうとしてると思いました。
　でもそれは間違いだって。だって、彼は独逸語を話そうとしてたんですから」

　

(発音がヒント)