【文豪ストレイドッグス】幼女に「お母さん！」と言われた

第一話　呼び方 ページ3

「さ、着いたよ」
「有難う御座います」


後から聞いたがコノ人は森鴎外さん、という方らしい。
そしてアノ幼女はエリスちゃん、というらしい。


「やった！お母さん！」
「…あはは、よろしくね。エリスちゃん」
「よろしく！」


にしても“子供(仮)”に『ちゃん』は許されるのか。
まぁ、本人が咎めないし、いっか。

それとも、私を“お母さん(仮)”と思ってたりするのか…？


「ねぇ、お母さん」
「ん？どうしたの？」
「エリス」
「ん？」
「エリス」
「エリス？」
「そう」


あ、咎められた。
やっぱ『ちゃん』はまずかったか。



「嗚呼！“ちゃん”ってつけられて少し拗ねるエリスちゃんも可愛いよエリスちゃ」
「黙って」
「はい」


大丈夫なのかコレ。


「…あ、少しいいかい？」
「え？私ですか？」
「そうだよ」
「お母さんだけ？」
「うう…エリスちゃんも来て欲しいけど今回ばかりは駄目なん」
「リンタロウの莫迦ー！！」
「嗚呼…エリスちゃんに嫌われた…」


本当に大丈夫なのかコレ。

すると森さんがシクシク泣きながら部屋の外へ出て行ったので後につづく。



「正直、すまないね」
「いえ。お気になさらず」
「そう言われると助かるよ」


と、微笑される。


「…やっぱり、君にはエリスちゃんのお母さんという“仕事”についてもらう」
「はい。森さんが言った通り、月給３０万。住む場所は…
　此処、でいいですよね？」
「そうだね。ああ、後。“森さん”は止めてくれないかね？」
「ではなんと」
「それは任せる」


なんと無責任。


「では…鴎外さん、はどうでしょう？」
「任せる」
「え？つまりどういうことですか？」
「任せる」


イイってことかな？





「では、これから宜しくお願いします！
　鴎外さん！」





(今日からお母さん)

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