【文豪ストレイドッグス】幼女に「お母さん！」と言われた

千尋 様リクエスト　わん！ ページ20

「お母さん！こっち！」
「はいはーい」


エリスちゃんとお買い物です。
無邪気に走るのが可愛い。


「あっ、そんなに走ると危ないよー」
「大丈夫」
「可愛い肌に傷がつくよ」
「歩く」
「よし」


どうしよう子犬みたい。


「にしても流石休日。子供からお年寄りまでいるね」
「だって休日だもの」


そっか、と何故か納得。


「ねぇ、お母さん」
「んー？」
「暑い」


…何でしょうか。


「アイス買って」


…やっぱりかぁ。

でも、こういう子供が親に何かを頼むのって
親子、特有なのかな…


「よし、買おうか」
「やった！」


ピョンピョン跳ねるように周りを回って見せる。
スカートが空気を含み、フワッとなっているのが尚可愛い。


「あ、でもアイスってどこで売ってるのかな」
「最上階」


おっとぉ…。把握済みですか。
よし、とエレベーターで上がる。


「着いた」
「暑っ」


まさかの屋外ですか。
さすがの猛暑ですか。


「こっち」
「ちょ、ちょっと」


グイグイと服を引っ張っていく。
その先にはアイス店。


「何買う？」
「苺」


可愛い。どうしよう可愛い。


「お母さん、おつかいできるよ」
「おつかい？」


お使いのこと？


「できるよ」


２回言った。つまりは“やりたい！”ってことだね。


「ならお母さんは抹茶でいいよ」
「分かった」


代金を渡すとスグにエリスちゃんはアイス店に駆けて行った。
走ると危ないよ…

もしエリスちゃんが怪我したら私どうなるんだろう。
もしかして…こ、殺

「君一人？」


見上げるとチャラそうな人が２人ばかし。
立原君以上にチャラそう。

…今更だけど立原君はチャラいのかな？


「…いえ、一人います」
「でも今は一人だよね？」


こういうの屁理屈って言うんだっけ？


「こんな可愛い子を一人にするなんて酷い彼氏だねー」
「彼氏じゃないです」
「うっそ友達！？じゃあその子も一緒に遊ぼうよ！」


発言を間違えたかな。
さっさと彼氏いるって嘘言えばよかったのかな。

にしてもその“可愛い子”を“こんな”と言う時点で格は決まった。


「ねぇ、友達どこー？」
「ちょっと！」


腕をつかんできた。気持ち悪い。


「ほら、どこ？」
「ほんとに…やめっ…！」


力で勝てない。でも抵抗せずにはいられない。



「お母さん！」


　


(二度目の救世主)

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