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第十六話 帰宅 ページ18

「申し訳ありません」
「顔を上げたまえA君」


今、お辞儀ではなく土下座に“近いもの”をしている。

まず正座をして両手の人差し指と親指で三角を作る。
その三角を床に置き、そこに頭をのせる。

土下座は床に頭をつけるものだと思ってる。
だからセーフ。

これは土下座ではない。


「いえ、買い物袋を無くすなんて…とんだ失態です」
「まぁ、どうやって無くしたか。深くは聞かないよ」
「有難う御座います」


ああ…優しさが心にしみる。


「掃除とかをして償います」
「いや、償うならこれからもエリスちゃんの傍にいてくれ。
 エリスちゃんが一番笑顔になるのはA君といるときだからね」
「はい」


顔を上げて返事をする。

償うべき内容はエリスちゃんといること、か。
鴎外さんらしいな、と思う。

失礼します、と言って廊下に出る。
夜風に当たろうと玄関を目指す。

流石の鴎外さんの前でも話せないことがある。


武装探偵社。


…やっぱりここが私の職場。
私がエリスちゃんの居場所。

後日お断りしよう。
にしてもあの人の目は何だったんだろうか。


「太宰さん…」


顔が不思議と頭に残る人だ。
…というかあんな出会いをしたら忘れられるわけが

「太宰っつたか!?」
「わぁああああ!?」


突然の後ろからの大声に驚きの声を隠せない。


「ちゅ、中也さん…!?」
「あっ、っと……Aさん!太宰に会ったのか!?」
「う、うん…川に…ちょっとね」
「…そのまま流されれば良かったのによ」


最後の言葉をボソッと言ったので何て言ったのか分からない。


「どうかしたの?何かあったの?」
「…思い出したくねぇ」
「まぁ、それなら。深くは聞かないよ」


…鴎外さんの真似してみたのは内緒。


「…いきなり叫んで悪かったな」
「ううん。大丈夫」


バイバーイ、と別れる。

…相当な因縁があるんだね。


「…太宰さん、と言いましたか」
「芥川君…!?」


え、何で太宰さん、の一言で2人も来るの。


「…また会ったら教えて下さい」
「う、うん」


声が少し嬉しそう。何故。

あ、と気づけばもう遠くに行ってた。
…樋口さんを後ろに。


 


(相変わらずだなぁ)

―――――――――――――――――――――――――…

次の話でお知らせ挟みます。
この話の 今後の展開 と リクエスト についてです。

今後について ※アニメ組にネタバレ有り→←第十五話 異能力



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , エリス , オチまでが未定   
作品ジャンル:アニメ
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臣民(プロフ) - ハニーさん» まだエリスちゃんの正体が明かされていない時でしたからね……。その設定で大丈夫だと思います! (2019年2月3日 10時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 此処でのエリスちゃんッて普通の子供設定なンですか? (2019年2月2日 16時) (レス) id: ec7085eabe (このIDを非表示/違反報告)
エリザベート(プロフ) - 4番希望で!! (2016年9月1日 12時) (レス) id: 4126f800ee (このIDを非表示/違反報告)
みるの - 4を希望します! (2016年8月31日 1時) (レス) id: ae8c0f0041 (このIDを非表示/違反報告)
夜月☆彩(プロフ) - 1が読みたいです! (2016年8月30日 22時) (レス) id: 89f03b0b28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:臣民 | 作成日時:2016年7月28日 22時

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