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『因みに？』
「イタリア」
イタリアといえば男子バレーの世界ランク上位の強豪国だ。栄養学を学びたいという事はきっと単身で海外に行くんだろう。もしかしてイタリアに行く為に大学でイタリア語を専攻していたのだろうか…既にイタリアの食材に目を付けているのだろうか…いや、もしかしたらイタリア側から直々にオファーがあったとか！？
『凄いね！！』
「ちょっと寺島さん、俺の時よりテンション上がってない！？」
「だから健太郎さんのダンスはそこまでなんだって」
何はともあれ凄い。この人の頭の中はバレーしか無いんだ。その為にも、他のところをフォローする人間が必要。
『イタリアでもお米はあるはずだから…とにかく、向こうで料理が出来るようになりたいって事だね』
「うん」
『分かった。合宿中に実践は出来ないけど、空いた時間に知識だけでも先に勉強しよっか』
「やった！ありがとう！」
話が終わったところで丁度、洗濯機もブザーが鳴った。それを皆できちんとシワを伸ばして干して洗濯係の仕事は終了。最初は伝統だから、と手伝うのを断られたけど頑なにやります！、とキャプテンの深津さんや清水さんに言ったので向こうが折れてくれた。私だって伊達に東レでマネージャーやってないんだから。
***
「お疲れ様」
全てが終わった後、宿舎の廊下で話し掛けてくれたのはマサさんと関田さんだった。身長的には比較的低いと言われているお二人だけど確実に私よりかは高いけど、石川くんを見上げるよりも首が楽だ。あ…本人達には失礼かな。ごめんなさい。
『お疲れ様』
「あいつらの仕事、手伝ってくれてありがとね」
『これでも東レでマネージャーやってるからどうって事ないよ』
関田さんは私の一個上に当たる訳だから、年功序列的には先輩。だけど、マサさんにタメ口な訳だから…という謎の理由で、関田さんともタメで喋るようになった。確か二人は高校が一緒なんだっけ。
「ご飯食べた？」
マサさんの問いに首を横に振った。
「でも、さっきまで祐希達と居たんだろ？」
『石川くん達は少し自主練するって言って体育館に行ったよ。マサさん達はウェイト？』
「うん、そう。終わった」
『プロテインはちゃんと飲んだ？』
「飲んだ飲んだ」
『食べながらさっきのプレー見返すよね？私も見ていい？』
「うん、いいよ」
『ありがとう』
「…何、そういう関係？」
「違うから」
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作者名：しおん | 作成日時：2019年10月26日 6時
