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31 柳田side ページ33

「で、何があったの?」

「だから、何もねえよ」

「はあ!?ここに来て何言ってんの!いつになく馬鹿だね!?」

「うるさ…」

体育館中に祐希の声が響く。自主練を切り上げてストレッチを手伝ってもらいながら祐希がしつこく聞いてくるが、俺としては相手方の事もあるからあまり話したくない。それに俺のAちゃんに対する気持ちも知られたくねえ。

「…お前はどうなの」

「何が?」

「Aちゃんをどう思ってんのって」

「…良い人だよね。俺達の事を一番に考えてくれてて、優しい言葉もちょっと厳しい言葉もしっかり俺達の為に言ってくれて、海外行きもちゃんとサポートしてくれてさ」

「!」

やっぱり…

「でも、俺はマサさんと寺島さんの間には入れねえなあ!」

「…は、いでで!馬鹿!」

は?と反応した瞬間、腿のストレッチで後ろから思いっきり体重を掛けてきたもんだから筋が伸びるかと思った。マジでふざけんな、覚えてろよ。

「ごめんて。二人の間に何があったか知らねえけど、他人は関係無いと思うよ。もっと自己主張しようぜ〜、バレーの時みたいにさ〜」

「はあ…お前なあ」

「一途に想っていれば伝わるって」

「…それストーカーっぽくない?」

「ヒャー、マサさんへーんたーい」

「お前が言い出したんだろ!!っくそ、おい逃げんなよ!」

「やだー」

いつからこいつはこんなに自由になったんだよ…いくら何でもからかいすぎだろ。意地でもトマト食わせる。俺の分まで絶対食わせる。
…でもまあ…他人は関係無いって、何も知らねえから言えるんだよな。お前が俺の立場ならどうしてたんだろうな。関係無いって割り切って正直に言えるか?あーもう…
どうして好きになったんだろう。

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作者名:しおん | 作成日時:2019年10月26日 6時

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