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30 柳田side ページ32

馬鹿だろ俺!
何でそこに祐希が出てくるんだよ!全然関係ねえ…って事も無いけど、Aちゃん困ってたじゃねえか!つかその前から困らせていたのは俺で、元を辿れば結局は俺が悪いんだ。
Aちゃんは誰にでも優しくて、今までは昴さん、そして俺だけに向けられていて。昴さんに託されてからずっと妹のように可愛がっていたが、その情がどんどん別のものに変わっていって、祐希に取られるようになって俺の知ってるAちゃんが居なくなるような気がして…クソだせぇ。
何であんな事言ったんだろマジで。

「はあぁ…」

「どうしたの、マサさん?」

「何でもねえよ」

別に祐希のせいでもないけどお前のせいにしたい気分だよ。そんなむしゃくしゃした感情をサーブに込めればボールはアウト。荒れてるぞー、とネットを挟んだ向こうでリベロの古賀さんが分かりきった事を飛ばしてきて、それがまた上乗せされる。
くそっ…このままじゃスタメン外される…バレーの時ぐらい集中しろマジで。俺からバレー取ったら何も残らねえんだから。

「本当、今日どうしたの?マサさん絶対何かあったでしょ」

全体練習後の自主練で最後まで残ってサーブ練をしていると、先に上がった祐希が戻って来た。元はと言えばお前の…否、俺のせいだ。

「だから何もねえって」

「何もねえのにあんなサーブ荒れる訳無いじゃん」

…いつになく本気だな。それもそうか、俺達は一応スタメン候補として試合形式ではチームを組んでいる。ライバルだけどそれ以前にチームメイトだから、何かあれば助け合うのがチームってもんだ。

「…寺島さんの事でしょ」

「っ…は?関係ねえだろ」

「そういうところ分かりやすいよね」

「うるせえ…っ!」

ダンダン、とボールを左でバウンドさせてサーブを打つもまたアウト。

「ホームラン」

壁にぶち当たった。

「あーあ、お前が邪魔するからやめた」

「集中出来てない状態でやっても意味無いじゃん」

…これじゃどっちが大人なのか分かんねえわ。

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作者名:しおん | 作成日時:2019年10月26日 6時

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