そっか、私。邪魔なんだ【文スト】

知らない貴方 ページ3

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無事マフィアに入って挨拶回りも済ませた。
幹部、首領、そのご令嬢には流石に挨拶は出来なかったが。

それに最下級構成員、中級構成員の皆さんとは会釈は勿論雑談もし、仲を深めた。
上級構成員の皆さんの一部は挨拶出来なかったがまた日を改めて挨拶しに行けば佳いようだ。

その日の晩。


偶々廊下を歩いていると、大好きな声が聞こえた。
何日も聞いていなかった声。どうしてもその声の主を一目見たくて壁に寄り掛かり聞き耳を立てる。


そこには鈴のような可愛らしい声が混じっていた。






｢＿＿＿＿＿＿＿え…？｣






酷く動揺し、バレないように壁から二人の様子を盗み見る。

そこに居たのは幹部補佐の綺麗めな女性と彼。



"嗚呼、何て幸せそうな顔なの。"



楽しく言葉を交わす二人に胸の中で何かどす黒いものが渦巻いた。

だけど目の前に居る彼女と私を比べたら一目瞭然。


仕事も殺しの才能も彼方の方が圧倒的に凄いし、ルックスも到底及ばない。

何よりこんな汚い心を彼女は持ち合わせていないだろう。




｢、あれ＿＿｣




何で私、こんなにむかむかしているんだ？










＿幼き私は感情の名を知らない。＿

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