そっか、私。邪魔なんだ【文スト】

漆黒の剣豪の幸せ ページ15

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そこから私はぐんぐんと成長して行き、

ポートマフィアの"漆黒の剣豪"だなんて厨二くさい名前を世間からは呼ばれるようになった。

銃から刀にして、異能が無い代わりに頑張って練習もした。

首領の反対も押し切って戦場に出して貰えるようになった。


その努力がこのコードネームになっているのなら悪い気はしないかも。
マフィアに貢献出来る今が一番楽しいし。

思考を巡らせ乍ら刀を腰に提げて機嫌善く歩いていると尾崎幹部が目に入る。





「あ、尾崎幹部！おはようござ＿＿＿」


「A、行くぞ」



「えっと……どちらの方へ？」



「行きの車で話す。
兎に角今は急ぐことを考えてくれんかの」





必死な顔に言葉が詰まる。
私は小さく頷いて腰に提げた刀の柄を触った。



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「＿＿＿尾崎幹部、本当にどうなさいました？」



「鴎外殿からの命じゃ。
小競り合いを鎮圧している中也に会いに行き、今日中に鎮圧しろと」



「今日中！？」





驚いて声を上げると、尾崎幹部は「鴎外殿は私らの扱いが荒すぎる」と窓の外を見てぼやいていた。


今日中何て有り得ない。

あの中原幹部が鎮圧するのに二年掛かっているのに？

私たちだけで今日中に帰還する？



成程＿＿＿＿＿＿今日中という期限がついているから尾崎幹部が焦っていたのか。

やっと全ての辻褄が合う。





「＿＿A」





不意に、呼ばれて顔を上げると
爪紅が塗られた紅い手で私の頬を撫でる。

小さく笑みを零して幼き子をあやす様な声色で口を開いた。





「話は鴎外殿から伺っておる
少し中也に会うのが怖いかもしれんが、中也はお主の事を嫌っている訳じゃない。

寧ろ信頼出来る人物じゃろう。

ちゃんと面と向かって口を開いて。私と練習して強くなった事を云って。」






＿＿＿＿＿そうしたら、あの子も褒める筈じゃ


私は少し目を丸くしてから





「有難う、ございます……っ」





精一杯幸せな笑みを浮かべた。

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