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黒の世界 ページ2

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初めて見たマフィアは恐ろしくて、
私は固唾を呑んで崩壊していくお父さんの働いている会社を見つめていた。

齢は14だった。


男の人が手も触れずに建物を壊していくという非日常的な現実を受け止めきれなくて、幼い私は放心する。


なのに何故か。


鮮やかな髪を揺らめかせる彼が、どうしても___美しく見えた。





「之で終わったか太宰」



「なぁんだ。落ちてきた破片にぶつけて死ねば良かったのに」



「黙ってろ」




ねえ、貴方に触れさせて。

ねえ、貴方の傍に居させて。



私はいつの間にか恐ろしい筈の彼に手を伸ばし、ベストを握った。





「__?
やァ、これはこれは可愛いお嬢さんだね」



「ちっ、触んな。
おい太宰。見られたら拙いぞ__殺すか?」



「1回監 禁して拷問やらなんやらで目的吐かせよっか?」



「手前に任せる。俺は知らねェよ」





乱暴に腕を離され舌打ちを零される。

私は彼等に向かって口を開く。




"私も連れて行って"






「_____、君は知らなくて善い世界だ」



「っ、やだ、やだ!!!
ねえ、私も連れて行って!連れて行ってくださっ、」





私がヒステリックに声を荒らげると包帯を巻いた彼がバツの悪そうな顔をした。





「こんな幼い子を汚すのは如何せん気が引けるが__」



「はっ、んなことに私情を挟むな気持ち悪ぃ。

俺が使い捨てのボロ雑巾みてぇに使ってやらァ」





目を伏せる包帯さんを遮るようにあの彼が私を見つめる。

それだけで惚れ惚れしちゃって。





「_______っ私を、使って下さい」






了承の返事に涙した。

知らない貴方→←序章



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ゆい - 首領は中也のこと名前呼びですよ (2018年10月3日 10時) (レス) id: ec4be56788 (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2018年7月9日 1時) (レス) id: cf0e41908a (このIDを非表示/違反報告)
@くろ_。(プロフ) - 雪花さん» ありがとうございます!実は先程公開しようとしたらデータが消えました、、、えへ (2018年6月10日 16時) (レス) id: a5d4ec3f5a (このIDを非表示/違反報告)
雪花(プロフ) - すごく面白いです!!続き楽しみに待っています!! (2018年6月8日 13時) (レス) id: 5dc7f7d16f (このIDを非表示/違反報告)
@くろ_。(プロフ) - こんるりさん» あざますぅえええはぁぁぁあす↑↑↑中也さんとびっきりかっこよくしますね(ウィンク) (2018年5月30日 20時) (レス) id: a5d4ec3f5a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:@くろ__。 | 作成日時:2018年5月23日 18時

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