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9.素質 ページ10

夢主side

任務に向かうために荷物をまとめていると周りに人が群がってきた。

「何早退なんてしようとしてんだよ」

「其れもこんな大人数で」

みたいに口々に声をあげるけど私達はガン無視。

スクールバッグを持ちドアから出ようとするが

「おい手前邪魔だ、退け」

あの赤髪、ドアの前に立って動こうとしない。

「早退の理由、教えてくれたら退いてやるよ」

いやいや、お前も早退よくしてるじゃねーかよ!

と言いたいのをぐっとこらえる。

「真逆言えないような事なの?」

中村も加勢してくるし、あー面倒。

其れはみんな思っていた事らしく中也が拳を握りしめ今にも殴りかかろうかとしている。

「もう、やめなよ」

そんな部屋の中に声が一つ。

其れもとびきり冷たい、氷のような声だった。

「へぇ、また邪魔するんだ、渚君」

「水無月さんはやってないから」

「じゃあ何で池守に傷がついてんだよ」

「…其れは今は言えないけど」

少し声が小さくなった其の好機を相手が見逃すはずもなく

「ねぇ渚君。あんまり調子に乗らないでよ?」

赤髪の目が少し怪しく光った。

「業君、僕は嘘は言っていないよ。水無月さんは何もやってない」

「証拠もねーのに?」

「だから!」

私は突如大きくなった彼の声に驚いた。

みんなも驚いたらしく目を見開いている。

「水無月さんはしてないって言ってるよね!」

私には分かった。

一瞬で変わった空気の中心にいるのは彼だと。

私は此の空気を、此の感情をよく知っている。

…殺気。

一般人に此れ程の殺気を出す事が出来るはずがない。

では彼は何なのか。

此の恐ろしい程の殺気を纏っている彼は、何者なのか。

「…分かったよ、退けば良いんだろ?」

諦めたようにその場を退く赤髪。

きっと彼も感じ取ったのだろう。

あの、彼から溢れて出ている殺気を。

「…水無月さん?用事があるんだよね?行かなくて良いの?」

其の声ではっと我に返った。

私の目の前にいる青髮の少年からはもう殺気は感じられない。

「…うん、ありがとう」

そう言って扉を出る私に続き中也達も出る。


潮田渚か。

面白い人もいるものだ。


「ふふふ、此れは退屈しなくて済みそう!」


私は彼の事を知りたいと思った。

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サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2021年8月2日 19時) (レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
さう(プロフ) - 絶対面白い!悪女ちゃんボコボコにして欲しいです!!更新楽しみにしております!!!! (2021年1月8日 19時) (レス) id: c9dfe6b4d6 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじ - ここからが 面白いところなので 頑張って下さい!! (2020年3月27日 22時) (レス) id: c8a48f9c26 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - 極・吹雪姫さん» きっと絶望の表情を見せてくれるよ!それでぶりっ子をいじめて夢主もどうとか言って結局罵倒されて落ち込むんじゃない?笑えるよもしそうだったら。そういう系のが見たいんで更新頑張って欲しい! (2019年7月15日 16時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
乃々 - くふ、やば、面白ww早く続き読みたいので更新頑張って!! (2019年7月4日 19時) (レス) id: b63f1450b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiri | 作成日時:2018年9月17日 21時

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