どうやらE組は一番敵に回してはいけない少女を裏切ってしまったようです

６．多過ぎる転校生〜前編〜 ページ7

夢主side

ドアには思った通り濡れ雑巾が挟んであった。

いや此れ先生達に当たったらどうするんだろうね。

…先生達はまだ良いか。

中也とか龍とか絶対キレるもん。

私はイリーナに先に入ってもらった。

流石プロ。

犯人が分かってるのか取ると入るなりゴリラみたいな奴に投げつけてた。

「何すんだよ！俺はただ裏切り者に当てようとしただけだっつーの！」

「裏切り者ってどう言うことかしら？」

「だから其れは…」

「先生も聞きたいですねぇ」

あー、邪魔者が来た。

「裏切り者とはもしかして水無月さんのことですか？」

「そーだよ！そいつ昨日池守にカッター刺したんだよっ！」

そーだそーだ！と周りから賛成の声が聞こえる。

私は取り敢えず教室へ入りおどおどしながら席に座った。

「どう言うことですか？先生、クラスメイトが傷つけられたのなら黙っていられませんが」

『わ、私してません！』

「嘘ついてんじゃねーよ。この傷が何よりの証拠だろ？」

赤髪うるせー、ちょっと黙れや。

とか考えてるとタコが近づいて来た。

顔を上げると顔面黒かった。

何其の顔、どういう作りしてんの？

「謝ってください。どのような事情があったとしてもクラスメイトを傷つけてはいけません」

『私、やってないです！』

震える声で言うとタコは手を挙げた。

もしかして殴っちゃうの？

良いけど先生としてはどーなんだろ。

内心そんな事思ってると

「おい、先生が生徒の事殴ろうとしてんじゃねーよ」

中也の声が聞こえた。

声のする方を見ると何と其処には家族のみんながいた。

というか中也、先生の手を握りしめて今にも潰しちゃいそうな勢いなんですけど。

「誰だよ、お前」

今いい所だったのに邪魔するなと言わんばかりの表情で中也を睨む赤髪。

「紹介が遅れたね。私は太宰…今日から此処で国語を教える事になった者だ。そして此処にいるのは左から中也、龍之介、敦、鏡花。転校生だよ」

淡々と話してるけど目が真っ黒なんです。

絶対怒ってるよ、此れ。

「転校生だぁ？何で転校生がこんなに居るんだよ」

「別に良いだろう？何か不都合なことでもあるのか？」

龍まで目が黒いよ。

しかも咳してないし。

「知ってる？先生が生徒殴ったらいけないの」

鏡花の声、氷のように冷たいよ。

…敦君はうん、精一杯睨んでる。

「…そうですね、すみませんでした。転校生さん達、まだ自己紹介をしていないので前に」

取り敢えず其処で終了。

みんな席に着いた。

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