どうやらE組は一番敵に回してはいけない少女を裏切ってしまったようです

１２．着せ替え人形 ページ13

夢主side

車を降りると電話をするためにその場を一度離れた。

『あ、お父さん？この前言ってた人達なんだけど、任務見られちゃったから連れて来た！でね？まだ親子ってことは隠しておきたいから！…うん。そう云うことで！』

そして中也と龍にも其の事をメールで送ると私は彼等の所に戻る。

『おまたせ〜！じゃあ行こっか』

声を掛けると覚悟を決めたようだ。

少し不安そうな顔で頷いた。


『首領、Aです。任務の報告に来ました』

そう云い部屋に入ると、先程電話した事もあってかエリスちゃんを追い掛け回したり等はしていなかった。

『任務は無事完了しました。ですがクラスメイトに見られてしまったので連れて来ましたがどうしましょう？』

「…」

『首領？』

「可愛い！是非此のドレスを着てくれないかな！」

…何でだよ！

良い感じに首領感が出てたのに、何で直ぐにぶち壊しちゃうかな！？

中也と龍なんて目を逸らしちゃってるし。

『首領？』

と云う私の声も聞かずにお父さんは渚とカエデにドレスを持たせると困惑する二人の背を押し隣室に入れた。

「着替えたら言ってね〜」

…いやいや！

片方男なんですけど！？

あ、其れは大丈夫か。

其の部屋には小部屋がついてるんだった、安心安心…ってなるかーっ！！

『首領！？青髮の方はおと…』

「何やら面白い事をしておるようじゃのう」

私の声を遮って入って来たのは姐さん。

何時もは頼り甲斐があるけどこういう時は面倒臭い人が揃っちゃったよ！

「私の着物も後で着て欲しいのう」

一寸待って！？

お父さんも姐さんも、一体全体何処から服出してんの！？


「えっと…着ました…」

そんな茶番を繰り広げていると隣室から弱々しい声が聞こえて来た。

渚…真逆お主其れを着たのか…？

ドアが開くと其処には。

『渚って本当に男？』

とても可愛らしい二人の女の子が立っていました〜！

「二人とも愛いのう」

「其の子って男の子だったのかい！？」

二人ともカメラ構えるのやめんかい！！

『って何二人とも正直に着てんの！？』

其の言葉にお父さんをちらりと見る二人。

あ、首領だから逆らったらいけないと思ったのか。

「次は此方を着て欲しいのう」

そう云って連行されて行った二人に手を振ると私は思った。


男でも良いのかよ、と。

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