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さーん ページ4

ー回想ー


「あははっ。もっとギリギリ狙いなよー。
どーせ当たんないんだからー。」

「そっかー!ごめーん、じゃ、遠慮なくっ!」


コツンッ


「惜しい惜しい。もーちょっと右だってばぁ。下手だなぁ治羽はー」
「あははは、結良ったらひっどーい。」

言葉の尖った刃。


石が当たらなくても投げ付けられる度に刺さる。


母親が病死して、父親が後を追って首を吊った。


その後孤児院で拾われた。


孤児院に行っても誰とも仲良くなれず波長が合わず、結局マトにされる日々になった。


毎日小石を投げられた。別に痛くなかった。
言葉のほうが辛かった。


ある日、トイレの水を掛けられた。
汚いって騒がれた、耳障りだった。周りも当然、哀れみの視線を向けるだけ。結局誰も救いの手を向けてくれない。


其の瞬間、眼の前が紅くなった。

何が平等だ、阿呆らしい。
何が平和だ、馬鹿らしい。
何が笑顔だ、憎たらしい。
何が救うだ、気持ち悪い。


夢と現実の差が激しすぎて吐きそうになる。


『もう良いよ。綺麗事なんて。』


気付いてしまったんだ。
世の中平等なんて物、有りゃしない。

必ず平和は、誰かを死骸()にして存在を表す。
私は其の死骸にあたっただけ。


一噌の事連れて行ってほしかった。
何で残したんだ。


虚無感に溺れた。

よーん→←にーい



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作者名:メレンゲドール | 作成日時:2023年8月22日 20時

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