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大「A様?」
「え?」
思い出に浸ってたらぼーっとしてたみたい。
大「私こっちなので、失礼します。」
「うん。また明日ね」
大「はい。あ、これ私の連絡先です。登録、お願いしますね」
大吾はそうメモを渡してきた。てか、このメモ帳……明らかに女子が使うやつでしょ。そう言えば昔から女子が使うものに興味津々だったな。変わってないんだ。
大「それでは」
「うん。じゃーねー」
私も帰るか。そう思って歩き出す。でも、その足はすぐに止まった。
麗「ありがと、廉。じゃーね」
廉「おん。明日も迎えに来るからな、寝坊すんなよ!」
麗「しないよ!」
…………神様、私なにかしましたか?
なんでこんな辛いことが立て続けに起こるのよ。私は1200年間ずっと苦しんだのに……やっと会えたのに、約束したのに、私のこと覚えてなくて……それだけでも辛いのに……なんでほかの子と幸せそうにしている姿を見なきゃいけないの?
私は出来るだけ早くここを立ち去りたかった。足早に廉の横を通る。
さっさと帰って、大吾に話そ。
そう思ってたその時。
廉「ちょ、君」
「っ…」
廉に呼び止められた。
廉「これおとしたで、はい」
カバンのポケットに入れていた生徒手帳が落ちたんだ。
「ありがと……ございます」
受け取る時に手が触れる。1200年前の最後の日以来の廉のぬくもり。
「それじゃ…」
涙が溢れて止まらなかったからそれだけ言って走った。
なんで…なんでこうなっちゃったんだろう。
神様は、意地悪だ。
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作者名:L | 作成日時:2015年7月25日 23時