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平和の象徴である西国の姫として生まれた私。
『姫は必ず18の誕生日を迎えたら東国の王子と結婚する』とパパやママに言われ続け、今日、国民に祝福されながら、私は18歳を迎えた。
でもみんな、この言葉の本当の意味を知らない。
ー･･･
ママ｢よし,パーティの準備はバッチリね！｣
私｢…可愛い。｣
フリルやパールが所々に付いている真っ白なドレス。
内向的な性格の私にはイベントがある度に着る豪華なドレスが少し恥ずかしい。
ママは似合ってる、と言った後笑った。
ママ｢改めて…おめでとう,A。｣
…ドクン、と心臓が跳ねる。
幸せそうに微笑むママの目が、笑ってないから。
私｢…ありがとう。｣
私も合わせて微笑む。
分かってる。ママの目が笑ってない理由。
…私は…結婚する王子をこれから2年の間に…
殺さなければいけない。
私が5歳の頃、東国は少しずつ、私達の住む西国を侵略しようと計画を立てているという話をパパはスパイから聞いた。
" あいつらは西国とわざと仲良くなり信頼を得てから国を滅ぼすつもりだ " " 特にー･･･には気をつけろ "
このフレーズだけは、私の記憶に残っている。
それからパパは私に西国の未来を託したんだ。
私が王子と結婚して東国に行き、動きや情報を手に入れ伝えること。戦が始まる前に王子を暗殺すること。それが、お前の役目だと＿.
ママ｢＿、A！｣
私｢…はっ…ご、ごめん、何？｣
ママ｢大丈夫？今物凄く暗い顔をしてたわ。｣
私｢大丈夫だよ。ごめんね。｣
ママ｢今日ぐらい思いっきり楽しみなさい、あなたは主役なんだから！｣
私｢…そうだね。｣
鏡に映る綺麗な自分の姿に少し笑みが零れる。
よし、と気合いを入れて、今から開かれる誕生日パーティへ向かった。
…王子と、初めて対面するパーティへ。
ー･･･
さとみ｢おい運転急げ！！今日だけは遅れちゃいけねんだよ！！｣
ころん｢事故るから！！！大体ねぇ！？あんたが城出る5分前までぐぅたら寝てるからこうなるんだろーが！！｣
さとみ｢あ"ぁ！？ってかおいころん！！あの方達の前では俺の事あんたとか死んでも言うなよ！！！｣
ころん｢はいはい、分かってるって！！｣
ころん｢東国の王子、さとみ様だろ！！！｣
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作者名：みさにゃ | 作成日時：2021年11月3日 19時
