金曜日1 ページ8
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you side
「リンちゃん」
名前を呼ばれて、ハッとして目を開ける。いつの間にか車が停車していて、モトキくんの家に着いたようだ。 運転手の方へお礼をして、車をおりる。着いておいでというモトキくんの後ろを歩く、そして一つの部屋の前で止まって。その部屋の鍵をあけてくれて中に入れてもらった。
『お、お邪魔します』
「はいどーぞー」
一人暮らしの部屋には十分すぎるくらい広い部屋だった。片付いていて、すっきりしているが生活感もあって。
一人暮らしの男性の部屋にあがる事なんて初めてかもしれない、緊張で酔いが吹っ飛んだ。
「座ってて、お茶もってくるよ」
キッチンを通って、リビングへと通してもらって。ソファーへと腰をかける。机の上に置かれたノートパソコン、マグカップ、…おちつかなくて、きょろきょろしてしまう。
「どうぞ」
『ありがとう、ございます』
「緊張してるの?」
『そりゃ!…しますよ』
「かわいい」
私の右斜め前に腰を下ろしたモトキくんは、頬杖をつきながらそう言った。なんとなく恥ずかしくなって頬を膨らます。
『そのノートパソコンで編集するんですか?』
「これでもするし隣の部屋にあるパソコンでもするよ。見てみる?」
『いいの?』
「特別よ」
机の上に置いてあったノートパソコンを開いて、私にも見えるように画面を向けてくれた。編集途中であろう動画を見せてくれるモトキくん。
「これが元動画なんだけど…こうやって、…いらない所は切ったり、音入れたり、…文字も入れたり、…を繰り返してやってるんだ」
『…大変そう』
「んまぁ、時間かかったり大変な部分も沢山あるけど…楽しいから」
実際に少しだけ、編集をやって見せながら教えてくれた
「はい、センセイ!」
『え、あ、はい、モトキくん』
「隣に座ってもいいですか?」
『と、隣ですか?』
「嫌だったら嫌だから」
『えっと…どうぞ』
「良かった〜」
モトキくん側を開けるように奥へとつめて座り、モトキくんは私が座っていた場所に座り直した。
そしてそのままカチカチと編集を続ける。そんなモトキくんを隣でじっと見つめていた。手慣れた手つきで編集を進めていく。流しては止めて、止めては流して。
…動画の編集ってこういう感じでやってるんだ、さっき何気なく見ていた動画だったけど…その一本を作るのにも、結構な時間と労力がかかるんだなぁ。
好きなことだから、とは言っていたけど…すごいや、モトキくんは。
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レモン - とても面白いです!私、モトキ君推しなので楽しめています。これからも体調に気をつけて頑張ってください! (2020年4月5日 16時) (レス) id: bbd6f120f3 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 善処さん» 更新遅くなってしまって申し訳ないです……!そう言っていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます、更新がんばります! (2020年2月18日 12時) (レス) id: 828ff03d5d (このIDを非表示/違反報告)
善処(プロフ) - 何度もスミマセン。kikiさんの書かれるモトキさんの雰囲気が柔らかくて凄くときめきました…kikiさんのペースで大丈夫ですので、続き楽しみにしてます。 (2019年12月20日 17時) (レス) id: 977f9d8c0c (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 善処さん» 善処様。嬉しいコメントありがとうございます…!嬉しいです、更新頑張れます。 (2019年12月12日 21時) (レス) id: 63f36c01d5 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ゆりりんさん» ゆりりん様。ありがとうございます…!のろのろ更新ですが、これからも更新頑張ります! (2019年12月12日 21時) (レス) id: 63f36c01d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki | 作成日時:2019年9月19日 23時