万事屋と僕 ページ9
「ちょっとォ!銀さん!神楽ちゃん!どこに行ってたのさ!」
「どうしたアルカ?銀ちゃん」
神楽を引っ張りながら自分の持ち場に戻ってきた銀時。二人の姿がないことに新八は怒りを露わにしていたが当の二人は気にした様子は無かった。
「スゲー整った顔の奴が居てよ」
「さっきの細男アルカ」
「ほそお?」
「ここの奴らには似つかわない細くて綺麗な男がいたヨ」
「だからって何で持ち場離れてるんですか」
「どうせ奴らに掘られてるヨ」
「ちょっと神楽ちゃん?!!何とんでも無いこと言い出してんの‼」
「新八ィお前も見てこいよ」
「いや、僕はいいですよ」
どうせ、Aくんより綺麗な人はいないよ。新八はメガネを上げ直しながら心の中でつぶやいた。
「あのなぁ〜新八。百聞は一見に如かずという言葉があるだろ」
「それはそうですけど、いいです。別に興味ないですし」
「そんなこと言うよ〜ちょーっと見に行くだけでいいから」
「何なんですか銀さんさっきから」
「なんデ銀ちゃんそんなに新八に見てきてほしいネ」
「いっいや別に深い意味はないけど〜」
「怪しいアル」
ジトーっという年下からの視線を浴びて冷や汗を流す銀時。
銀時は怪しまれていることを隠すように視線を泳がせているが神楽がしつこく聞いてくる。
深い意味はねェよ!別にもう一度会いたいなんてこれっぽっちも思ってないから!!……まあ新八にもイケメンとはどういうものか見てきたほうがいいかと思ってだな、うん。これで行こう。あれ?なんで言い訳考えているんだ俺。
「ほら!言いな!内緒にしといてあげるカラ」
「お母さん?!」
「銀さん何か隠してますよね‼」
「あ、万事屋さん!」
「「「!!」」」
神楽と新八が銀時にしがみつき必死に顔を隠す銀時を詰問していると渦中の人物の声がした。
三人が振り返ると、愛嬌を振りまくようにこてんと顔を倒し不思議そうな顔でお盆にお茶菓子と湯呑みを持ったAが立っていた。
「え!Aくん?!」
「オメーはさっきの!」
「何持ってきたアルカ!」
3人は同時に発した。
「自己紹介が遅れました。AAと言います。久々だね、しんちゃん」
「「しんちゃん?!」」
「あはは……今日はいいの?」
「うん、今日はいいの。あ、これ差し入れ。ハッピーたーんなんだけどすき?」
「ヒャッホー!!ワタシめっちゃすきよ!」
「わざわざありがとうAくん」
「ちょちょい待って!何?どういうこと?銀さんにもわかるように説明して!」
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作者名:アバランチ | 作成日時:2022年7月16日 23時