☆標的244☆ ページ22
〜風丸side〜
きっとAはまだここにいるはずなんだ。
目の前にある扉を見ながらそう思った。
コンコンと控えめに病室の扉がノックした。
風丸「A」
A「風丸」
名前を呼べばAの声が聞こえ、当たりだったことを確認した。
風丸「まだ吹雪起きないのか」
A「うん。もうちょっとかかるのかも」
Aは悲しげに、吹雪の握っていた手の甲を撫でた。
やっぱりAの中での1番は吹雪なんだな。
風丸「今いいか？話があるんだ」
A「いいよ、屋上に行こっか！」
風丸「あぁ」
笑顔でAは屋上に続く階段を登る。
今からする俺の話はこの笑顔を曇らせてしまうと思うと悲しくなる。
A「みてみて！夕日綺麗だよ！」
風丸「･･･そうだな」
屋上に上がると夕焼けが広がる。
Aの綺麗な白い髪が夕日でオレンジに染まる。
夕日なんかより綺麗だと思った。
夕日を眺めて笑っているAの顔を見るのもこれで最後になるのかと思うとぐっと何が沸き上がる感覚。
もっとAの姿を見たいのに、見れない。
自分の足元をジッとみて、耐える。
耐えなきゃ余計な事まで言ってしまいそうだった。
A「風丸。どうしたの？」
自分から呼び出した癖に話だせない俺に変わってAが声をかけてくれる。
風丸「あ･･･Aは怪我大丈夫なのか？」
聞きたいこととは違う言葉が出た。
いや、気にはなっていたんだ。
吹雪の病室に来た時から大丈夫かって声をかけたくて、でも声かけられる雰囲気じゃなくて聞けなかった。
A「大丈夫だよ！ただの打ち身、擦り傷だけだから！こんなのへっちゃら！」
また笑ってなんでもなさそうな顔をするAに胸が痛む。
なあ。
なんでだよ。なんでなんだ。
風丸「無理するなよ。痛かったら痛いって言ってくれよ」
ちゃんと弱音を吐いてくれ。
隠さないでくれ。
知りたいんだ。お前の気持ちを。
A「風丸は？」
風丸「俺？俺は怪我してないよ」
A「辛そうな顔してる」
そっと頬に触れた手が暖かい。
俺が辛そうだというAは俺を思ってなのか顔を歪める。
違う。そんな顔をさせたいんじゃない。
風丸「Aっ！俺！俺は！！」
A「うん」
頬に当てられた手をギュッと懇願するように握った
風丸「キャラバンを降りる」
A「そっか。理由聞いてもいい？」
風丸「俺には無理なんだ」
A「無理？」
風丸「アイツらに勝てる気がしないんだ･･･」
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彩生(プロフ) - きぃさん» コメントありがとうございます！！更新頑張りたいと思います！ (2017年12月3日 11時) (
レス) id: 82193f36c1 (このIDを非表示/違反報告)
きぃ(プロフ) - 面白いですので、更新がんばってください！ (2017年12月3日 11時) (レス) id: 6953351f31 (このIDを非表示/違反報告)
彩生(プロフ) - いまづきさん» コメントありがとうございます！！早く更新できる様に頑張りたいと思います！ヾ(`･ω´･)ゞ (2017年11月22日 9時) (レス) id: 82193f36c1 (このIDを非表示/違反報告)
いまづき(プロフ) - 早く続きが読みたいですね！ (2017年11月20日 22時) (レス) id: 14b35c0538 (このIDを非表示/違反報告)
彩生(プロフ) - 詩子さん» コメントありがとうございます！たしかにこの作品を数年は放置していたのでそう思われても仕方ないとおもいます(笑)でもやっぱり最後まで書きたいと思ってるのでこれからも良ければ読んで下さったら嬉しいです。ファンって言って貰えて嬉しかったです！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: 7bea5e0c46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩生 | 作成日時：2017年7月9日 18時
