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スピードを気付かれないように下げていく。
…後ろに誰かがいる。
そう感じた。
そしてしばらくしてから、後ろで足音が一つ聞こえる。
わざと鳴らしたのだろう。
そんなものしなくても気付く__余計なお世話だ。
そして静かに足を止めた。
「…お付きなんて、雇った覚えはないけど」
そういうと、クスクスと相手は笑った。
内心苛立ち拳を作ると、「ごめんごめん、つい」と、そいつのものと思われる声。
優しい、男の声。
男はまた笑いながら話出した。
「お付きなんてもんじゃないさ。まあ、わかって言ったんだろうけどね。面白いジョークだ」
……声からしてムカつく奴だ。
「呑気に外を出歩いているなんてね…驚いたよ。平和ボケでもしたのか?」
くるりと振り返る。
男は微笑んだまま私を見ていた。動じる事なく。
「…一つ聞く。この前私をつけてる人がいた。それは貴方の仲間?」
「……」
少し黙ってると、男は「そうだね…」と悩み始めた。
そしてまた一息ついて笑い、
「味方であって、仲間ではないね」
と告げた。
こいつがいうとやたら意味深げに聞こえるが、混乱を招いているようにも聞こえる。
ここで真に受けるな、あくまで冷静に……と自分に言い聞かせる。
一息吸って話始めた。
「これは選択肢から選んで答える質問。…オープンクエスチョンをしてる訳じゃない。
アンタにあるのは二つの選択肢……『YES』か『NO』か___さっさと答えて」
と相手を睨んでも、「へえ、厳しいんだ」と笑うだけだった。
「……もう一回言う。選択肢は二つ。難しい質問でもない」
「…ごめんって、苛々するなよ。ちゃんと答える」
……これ以上信憑性がない『ちゃんと』があるだろうか。
と疑いの目を向けていると、男は「信用ないんだね」と笑い話出した。
「『君を嫌っているという意味では味方だが、彼奴は仲間じゃない』。」
そういうと男はまた笑った。
「次は、私から質問しよう」
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白桜姫 - 続き見たいです。(●´ω`●) (2018年8月22日 12時) (レス) id: feb278e6cf (このIDを非表示/違反報告)
紗夜香(プロフ) - 面白いです!私、晋助推しなので晋助が出てきて嬉しいです!! (2017年12月10日 11時) (レス) id: 84ea2cf976 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 睡蓮さん» ありがとうございます〜!嬉しいです(´`* (2017年10月5日 19時) (レス) id: e9cc4f7844 (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮 - 続きが気になります!応援しています♪ (2017年9月24日 13時) (レス) id: 68b1023c43 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 雷火さん» ありがとうございます...!とても嬉しいです;;;;;;更新してこよ、(ちょろい) (2017年8月24日 16時) (レス) id: e9cc4f7844 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉月 | 作成日時:2017年8月7日 10時