32話【那須与一】 ページ32
目にも留まらぬ三段付きが繰り出される。
前に、総司くんから教わったっけな。
一の突き、相手の体勢を崩し。
二の突き、相手の手の甲を突き。
三の突き、刀を取り落とした相手の喉笛めがけ……
気が付けば、木刀の切っ先は永倉さんの首元スレスレで止まっていた。
一瞬の静寂の後に、永倉さんは腰から崩れ落ちた。
腰が抜けたようだな、と隣で元就さんが呟いた。
「……手前、本当に、本当に総司なのか」
「そうですよ。僕は此処で、生きてますよ」
そう言って総司くんは、永倉さんの後ろで驚愕している原田さんに、にっこり微笑んだ。
そして目の前で腰を抜かしている永倉さんに目線を移すと、その場にしゃがんで永倉さんを見つめた。
「お久しぶりです、色々ご迷惑をおかけしました」
ふいに差し出された手に永倉さんは驚いて、そして泣いた。男泣きだった。
(ここは空気を読んで外に出ましょうか)
(…そうだな)
総司くん達に背を向けて、部屋の外に出る。
ドアを閉めるとき、今度は三人分の男泣きする音が聞こえていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鯉城@期末試験により低浮上(プロフ) - 一文字さん» 更新お疲れ様です！ (2016年11月27日 8時) (
レス) id: 9f48aa114d (このIDを非表示/違反報告)
一文字(プロフ) - 終わりました！久しぶりに更新しました！もう時期遅れだったかも知れませんが…(°°;)今更ですがよければもっとたくさんの方のキャラさんと絡みたいです (2016年11月27日 1時) (レス) id: a99494268b (このIDを非表示/違反報告)
一文字(プロフ) - 更新します (2016年11月27日 1時) (レス) id: a99494268b (このIDを非表示/違反報告)
一文字(プロフ) - とうふΣ（ﾟдﾟlll）さん» あ、ありがとうございます〜(´;ω;) (2016年6月28日 1時) (レス) id: 47b74069ec (このIDを非表示/違反報告)
時雨＊ぽけろーん(プロフ) - 白鯨/元スコール@募集企画民さん» お願いしますm(__)mちなみに、千代女は草原にいますので……。 (2016年6月13日 7時) (レス) id: 4f142577d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鯉城@元歴史筆頭カープお山田 x他5人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2016年6月4日 7時
