憧れ【Valkyrie】 (ページ46)

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廊下ページ46

桃李くんに腕を引っ張られ、廊下を歩く。
後ろから蓮巳先輩もついてきた。

『あれ…2年生の先輩は行かないんですか…？』

「あぁ、伏見は生徒会室で事務仕事をやってもらっている。」

あの人も生徒会の人だったんだ。桃李くんのことを坊っちゃまと言ってたし、てっきり一緒に来るのかと思っていた。

「ボクたちには仕事があるっていうのに、家畜どもが仕事を増やすから困るんだよね〜。｣

桃李くんがため息をついて言う。

『…？？？』

｢……急に連れてこられて、理解してないだろうから言っておく。俺たちが今向かっているのはB1の竜王戦というライブが行われている所だ。｣

僕がよく理解できていないことに気づいたのか、蓮巳先輩が詳しく教えてくれる。

『えっと…もしかして、さっきから聞こえてくる歌声とギターの音がそうなんですか…？』

「あぁ、これからその竜王戦を取り締まる。」

『…ぇ』

僕が見たかったライブって、生徒会に取り締まられるようなライブだったの…！？

「竜王戦が終わる前に早く行って、チャチャッと片付けちゃいましょ〜♪」

｢あぁ。｣

楽しそうに言う桃李くんに返事をしながら蓮巳先輩がスマホを取り出し、誰かと通話をし始めた。

｢もう少しで到着する。こちらが着き次第、配置につけ。｣

｢楽しみだね〜、A！｣

まずい…、少しだけ見て帰るはずだったのに、いろいろと巻き込まれてしまった気がする。