憧れ【Valkyrie】 (ページ20)

今日:135 hit、昨日:10 hit、合計:159,011 hit

疑問ページ20

「我輩の名は朔間零。Aくん、よろしくのう。」

『あ…は、はい！！』

急に話しかけられて声が裏返ってしまう。

「反応が初々しくて可愛いのう♪」

大きな手で頭を撫でられた。とても温かいなぁ。小さい頃に何回か撫でられていたことを思い出す。誰に撫でられていたんだっけ……。

………………。

そうだ…

『亡くなったおじいちゃんの優しい手に似ているんだ…』

そう呟くと室内が静かになる。まずい…。嫌な汗がドッと出てくる。

『すみません…！さ、朔間先輩をおじいちゃんと言っている訳ではなくって…えっと』

「ふむ…。」

朔間先輩は何かを考え始めた。そして思いついたような顔をし、笑顔になって腕を広げる。

「Aくん、零おじいちゃんじゃよ〜♪」

『え』

「我輩がおじいちゃんは嫌かえ？」

これは何て答えるのが正解なのだろうか。
そして、なぜ急におじいちゃんと言い始めたのか。疑問で頭がいっぱいになる。

『あ、えっと、嫌ではないです…？』

「ふふふ、嬉しいのう。Aくん、今日から我輩がおじいちゃんじゃ。」

『……零おじいちゃん…？』

「うむ。」

なぜこうなったかは、わからないけれど…
僕におじいちゃんが出来ちゃいました……

Aが朔間先輩と話している時、ひなたとゆうたは遠くから見つめていた。

「完全に俺たち空気だよね…」

「俺もアニキと同意見…」