夜明けが希望でありますように (ページ4)

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ボーダー隊員は
教室に来れないことも途中で抜けることも多いから
そういった理由で私達ボーダー隊員は
教室の1番後ろの窓際の席に集められた
進級して初めての席替えで担任からの提案だった
席なんてどこでも良いというのが私と水上
そして影浦の意見で
村上と穂刈はそういう考えもあるというように
納得していた
影浦に関しては前の席だと
感情が刺さることがあるからか
後ろの席になった時は少し嬉しそうにも見えた
新学期が始まって1ヶ月ほどしか経っていない今は
水上が1番後ろの1人席にいる
その前に影浦隣に私
影浦の前に村上その隣に穂刈という位置になった
私の席から大半の生徒の後ろ姿が見える中
オレンジ色の猫背だけ見ることができなかった
なんともない景色の中で
たまに映り込んでくるあのオレンジが
私とっては特別で少し嬉しかった

「先輩、お昼一緒に良いですか？」

その声が聞こえた瞬間席を立つ
それと同時に声をかけてくれた友達の元へ向かう
昼休みになって教室は騒がしくなったのに
高いソプラノが嫌でも耳に入ってくる
お昼を食べ終わた後でも
友達が雑談を続けてくれて良かった
私の席に座り3-Cのボーダー隊員達と笑う妹に
ついつい視線を送ってしまう
目があうとパッと顔を明るくさせ
手を振ってくることを知っている
それが本心からの行動だと分かっているから
無視することもできなかった

1度だけ前日に深夜の任務が入り
騒がしい教室の声など耳に入らなくなるほど
深い眠りに落ちてしまったことがあった
いつも私の席で昼食をとる妹のことが頭にチラついたが
寝ているのは見てわかるだろうから
起こされたら反論しようと心に決め眠った
妹が声をかけてきたのは昼休みが
残り15分になった時だった
「お昼食べなくて大丈夫？」
そう言った妹を見て
この子は本当に良い子なんだと思った
私が眠たいことも食事をとっていないことも
分かっていたから昼休みが終わる15分前に
声をかけたのだ
食事をとり午後の授業の準備をするためには
十分な時間だった
ただわがままな子なら席をどいてと
眠たいことなど気にせず声をかけただろう
根っこの部分からそうではない部分まで
ただ優しくて気遣いのできる
それが私の妹だった

醜い私とは違うんだと思わないことができただろうか
容姿も性格もいい
そんな子に惹かれない人がいるのだろうか