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「あの、後でちょっといいすか」


いきなり隣に並ばれたと思ったら
真っ直ぐに先を歩く桐絵達の方を見ながら
烏丸君は周りには聞こえない声量で呟いた
話しかける時ですら視界に入れたくないと感じるほど
嫌われるのかと思うと多少なりとも
ショックは受けるのだけど
烏丸君が私のことをしっかりと見て
話している記憶はないため慣れてしまった
元々接点なんてなかった私達だ
今更この関係を良いものになんて思っていない
歩くたびに踏まれる土や砂利の音を聞きながら
『うん』と答えた
普通の女子なら告白かもってドキドキな
イベントなのだろうけど私は違う意味でドキドキしている
これなら烏丸君のファンから
校舎裏に呼び出される方がマシだ


玉狛第一の彼らがトリオン兵を倒していく中
私はというと後ろから3人の戦う姿を見ていた
桐絵の動きに合わせてサポートして反撃する
3人の動きはまさに仲間としての
信頼があると思わされるものだった
その中に私が簡単に入れるわけがないのだ
一応何かあった時のためにと思って持っていた
スコーピオンは使うことがなく終わるだろう
相変わらず動きに無駄がないレイジさんと
時間が経てば経つほど強くなっていく桐絵
同じ長さの時間しか生きていないはずの桐絵と
ここまで差があるのかと再確認させられた
その現実を目視するだけで心に空いた穴が
抉られるように感じた


玉狛第一との任務が決まったと伝えられた日
それは隠岐と野良猫を撫でて一緒に帰った
3日前のことだった
全教科欠点をとることなく
得意科目はそれなりに良い点数を取れて
上機嫌な時だったからしっかりと覚えている
通知が来て震えたスマホを見て
「城戸さん」と表示された文字に目を見開いた

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作者名:lei | 作成日時:2023年4月28日 13時

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