検索窓
今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:24,879 hit

二十五 ページ27

Aは死んだ



はずだった。




神威の手は直前で止まる。





神「……はあ。」




神威は

Aの顔に手を近づけ


涙を拭う。





神「そんな不細工な顔するから、殺せないじゃないか。」



「……ヒック」



神「…」



神威はAの体を起こし、
自分の肩へ寄せ、頭を撫でた。


Aは驚く。



「なんで………」



「……俺もよく分からない。けど、多分、









愛してるんじゃないかな。君の事。」





[あ、い、?]



少女は一瞬固まる。





「………愛なんて、簡単に言わないでくださいよ。」



神「簡単にいってると思う?」




「……愛してるなら、こんなぼこぼこにします?」




神「……俺は、大切な人なんて、いても邪魔になるって思ってる。
………でも、君がそれになりつつあることに気づいた。だから、ぼこぼこにしたし、殺す気だったけど、



君の涙を見たら、無理だなぁって。」




「……皆、愛してるって言うだけ言って、離れてく。」



神「離れない。」



「離れる!!
どうせ、離れてくから殺してください。離してください。もう、裏切られたくない…………。」



神「…………そう。」




そう言い、神威はAを肩に担いだ。
そしてAの傘も持っていく。


「…!?」




神威は続ける。




神「そんなの、俺の知ったことじゃない。
それに君、言ったよね。殺すなり煮るなり好きにしろって。
だから、俺の好きにさせてもらうよ。」




そして、神威は
春雨に向かって歩きだす。




「…なにして……」




神「帰るんだよ。一緒に。」



「……私は………」



「……意地張るのも、
人を試すようなことするのも、いい加減やめたら?

…本当は一緒にいたいくせに」



その言葉に、Aは。




「………ヒック」



神「…また泣いてる。」



「だって、…ヒック」


神「うん」



Aはいろんなものが溢れだす。



「いっぱい傷つけて、ごめんなさい」


神「お互い様。」


「試すようなことしてごめんなさい。」


神「別に。」


「…………私から、離れないでください。」



神「…離れない。さっきも言った。二度も言わせるなよ。」



「うぅ………うええーん………」



神「うるさいなぁ。」


少女は、信じてみることにした。


信じたかった。








傘も差さずに、雨に打たれている二人。


どこか、暖かそうだった。


---------------------------

久しぶりの更新がこれです。

エピローグ→←二十四



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
80人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 神威 , 七海本家
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

七海本家 - あんみつさん» コメントありがとうございます!亀更新ですみません(;o;)頑張ります! (2018年11月7日 0時) (レス) id: 1e95f9cc3a (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ - 面白いです。続き頑張ってください (2018年11月6日 20時) (レス) id: 6040d243e6 (このIDを非表示/違反報告)
七海本家 - 眠井ねむり。さん» コメントありがとうございます!照れます(●^o^●)続編はまだ書くかは決めてないです。すみません! (2018年10月19日 21時) (レス) id: 1e95f9cc3a (このIDを非表示/違反報告)
眠井ねむり。(プロフ) - 神威ぃぃぃぃ!めちゃめちゃ面白かったです!!続編も楽しみにしています!頑張ってください! (2018年10月15日 10時) (レス) id: 172bd38c03 (このIDを非表示/違反報告)
七海本家 - haruriさん» 超がつくほど嬉しいです(●^o^●)読んでくださりありがとうございました! (2018年10月7日 21時) (レス) id: 1e95f9cc3a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:七海本家 | 作成日時:2018年8月31日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。