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二十(過去) ページ22

吉原桃源郷、いわく鳳仙様に買われた当初は、
強くなるため、修行の毎日だった。


といっても、ただただ吹っ飛ばされるだけだったけど。


痛いし辛かったけど、
優しくしてくれる花魁がいたから毎日楽しかった。





お風呂上がり、私は今日もある人に頭を拭いてもらう。



「頭拭いて!菊さん!」


菊「はいはい」



名前は菊さん。


私がここに買われた日から、優しくしてくれる人。

頭を拭かれるとお母さんを思い出して切ないけど、それ以上に懐かしくて、暖かいから好き。


菊「本当、Aちゃんといると、妹を思い出すよ。」


「私もお母さんを思い出すよ。」


菊「そうかい、お互い様だね。」



私は、菊さんのことが一番好きだった。


だから、一番嫌われたくなかった。




もちろん、修行だけじゃなく、雑用として働いてもいた。

そんなある日。


部屋の掃除に向かう途中、刀を持っているお客さんが見えた。


その時はただ珍しいなぁと思っただけだった。




『このお酒を〇〇の部屋に持って行って!』


「はい!」


お酒を持って慎重に歩いていく。


「えと………〇〇の部屋は………!ここだ。」


そう思った矢先。


『お客さん、足元ふらふらじゃないですか…』

『先輩、危ないですって』


……なんだか騒がしいなぁ。


そう思いつつ失礼しますと言い入る。


すると、さっき見た、刀を持っているお客さんが、刀を出していた。

足元はフラフラ。

………酔っ払ってるのかな?


菊「…あ、Aちゃん。」

「菊さん!」

菊「お酒ありがとう。ここにおいてもらっていい?」

「うん」



菊さんの言われたところに置いて戻ろうとする。

その時だ。


菊「!危ない!」


「へ?」



(ギュッ)


菊さんが私に抱きついたと思った瞬間


(ザシュ)


「!?」



そのまま二人とも勢いで倒れる。


さっき顔に何かが着いたと思い顔に触れると


「え…」


手に血がついた。



菊さんの血。



覆い被さる菊さん。


前方に、刀を持っている男がいる。


私の手には血。


(ドクン)


あの日を思い出すには充分な眼前の出来事。


客「…!?す、すまない…!?」


回りの叫び声と、自分のしたことに気付き
やっと客は酔いが覚めた。

しかしもうおそい。


Aは我を忘れ、
その男を蹴り飛ばした。




気がつくと、Aは血塗れだった。


そして



化け物



そんな声が聞こえた。


その声は嫌われたくない人の声だった。

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七海本家 - あんみつさん» コメントありがとうございます!亀更新ですみません(;o;)頑張ります! (2018年11月7日 0時) (レス) id: 1e95f9cc3a (このIDを非表示/違反報告)
あんみつ - 面白いです。続き頑張ってください (2018年11月6日 20時) (レス) id: 6040d243e6 (このIDを非表示/違反報告)
七海本家 - 眠井ねむり。さん» コメントありがとうございます!照れます(●^o^●)続編はまだ書くかは決めてないです。すみません! (2018年10月19日 21時) (レス) id: 1e95f9cc3a (このIDを非表示/違反報告)
眠井ねむり。(プロフ) - 神威ぃぃぃぃ!めちゃめちゃ面白かったです!!続編も楽しみにしています!頑張ってください! (2018年10月15日 10時) (レス) id: 172bd38c03 (このIDを非表示/違反報告)
七海本家 - haruriさん» 超がつくほど嬉しいです(●^o^●)読んでくださりありがとうございました! (2018年10月7日 21時) (レス) id: 1e95f9cc3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:七海本家 | 作成日時:2018年8月31日 23時

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