愛すべき君にさよならの花を

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人が集まってくる。





あれ、あの人、写真撮ってる、





勝手に写真撮ったらだめだよ






あ、この人見たことある。





たしか前にジミンさんが送ってくれた写真の中に居た。






たしかスタッフさんで、仲がいいんだって言ってた





何か言ってる、





何？





待って、待ってよ





救急車に運ばれるジミンさんの姿を見失わないように、追いかけた





「いま君が乗ったら騒ぎになるから、後で連絡するから」





「・・・あ、」





そうか、私と噂が立ったら仕事大変だ。ペンの人も傷つく。






彼が乗せられた救急車の明かりが見えなっても、ただ見つめた







警察や関係者だけ残り人がいなくなった道の真ん中でただ今がわからないまま立ち尽くしていた






怪我してたらツアー大変だな、





明日のニュースにのるんだろうな、





多分写真撮られてないよね、





まあ私と撮られたって噂になんてならないか、









あれ、ジミンさんは何でつれていかれたんだっけ？






何で怪我したことになってるんだっけ？






あれ？なんでここにいるんだっけ？






「あの、大丈夫ですか？ジミナのペンの方ですか？」





少し年下に見える女の子が私の肩を叩いた






「・・・あ、えっと、はい」






「今は無事なのを信じましょう、大丈夫ですよきっと」





今にも泣き出しそうなその子がなんだかとても大きく感じた






「あの、ジミンさんって、どうなって・・・。あれ？何があったんだっけ？」






「ジミナ、トラックにひかれちゃって、だから今病院に、」







世界が崩れていくように、その場の全てが消えた。






色も、音も、隣にいたはずな彼女も、






「いや・・・いやああああ！！」






泣かないでといった彼の言葉がフラッシュバックする






ごめんなさい、ごめんなさい、





色のない世界で遠くに飛ばされて潰されたココアのカップが見えた






フラフラと近づいて、拾い上げると、少し残った中身が暖かくて、






それでも段々と冷たくなっていくそれが、

血で染まった彼の姿と重なった

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