私が見えていますか？

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｢ ……はぁ、っ、いった ｣








彼らが出ていき1人だけ残った楽屋



腕や足、お腹を見ると赤くなってる
今日の衣装大丈夫かな…



せめて投げるなら飲み干してからにしてほしい
残った状態だと中身が出るし
重たくて痛い




鏡で確認すると
決して人前に出られるような姿じゃなかった
セットしてもらった髪の毛もぐしゃぐしゃ
服にも飲み物がかかってびしょびしょだ





｢ 髪の毛が長いから引っ張られるのか、｣






なら、いっそのこと切ってしまおう
彼らと同じくらいの短さに
そしたら髪の毛を引っ張られることもなくなる




それに、少し気分転換もしたいし






｢ かっこよくしてもらお ｣






私って変わってるのかな
女のアイドルなら誰でも長い髪の毛を
戸惑いもなく切るのだから




って、私ガールズグループじゃないんだし
というより、自分が女だというのが
嫌なのかも




だから女は、これだから女は、、、
何回とこの言葉を聞いてきたんだろう
見た目が変わったら
もう言ってこなくなってくるのかな







｢ はぁ、もうほんっと、うざいな ｣







消し去りたい


自分では気付いてない
心のどこかにある彼らに対する気持ちを





なにもできない自分も






どうすることが一番楽なんだろう






自分が消える？

自分からマスコミに情報を売って
彼らを悪者として世間に晒す？




それとも…









｢ っ、そんなのできるわけない ｣









一瞬、脳裏によぎったのは


『 彼らとの溝を無くす 』


こと、









結局私は楽になんかなれないのだろう
楽になる道を選ぶことさえ許されないんだ
この世界には私の居場所は無いんだ

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