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｢では、…まず何から話しましょうか？私、席外しましょうか？｣
久しぶりの再開ですし積もる話もあるでしょう、と。
エーミールさんも知っていた。
もしかしたら、否…そんな生温いものでは無い。
元々知っていたのだ。私の存在を。
そして、追っていた。
選定は、既に、か。
｢…名前｣
｢ん？｣
｢お兄さんの、名前は…｣
｢……思い出さんでええよ。俺はずっとAの兄さんだから｣
そう呟くと同時に、姿が変わった。
あの時と同じ顔。
背丈。
私の記憶に残る、最後の姿のまま。
能力なのだろう。
ずっと、姿形を変えて、生活していた。
仕事、とはきっとここでの仕事のことなのだろう。
少しだけ、胸が痛んだ。
そう、少しだけ。
だけど、お兄さんはあの頃と変わらない雰囲気を纏っていた。
｢Aはいつから仕組まれていたと思う？……いや、質問を変えようか｣
_______________いつから傍にいたと思う？
その質問の意図が掴めなかった。
お兄さんは、幼い頃からずっと。
幼い頃から……って、いつだ。
一緒に、叔母さんと住むようになる前に、出会っていただろうか。
記憶が曖昧だ。
思い出せない。
言葉を出そうにも、何も出てこない。
喉の奥で、止められて、とても気分が悪い。
そんな私を察してか、エーミールさんが微笑んだ。
｢まぁ、焦らず考えましょう。時間はいくらでもありますから｣
そう言って微笑んだ。
誰よりも柔らかい笑み。
お兄さんも小さく頷き、姿を戻した。
｢……そう言えば補充が必要って連絡があったけど何が足りない？｣
｢あぁ！忘れるところでした。…えっと……紙がたしか…｣
引き出しから紙を取り出し手渡す。
紙を見たお兄さんは、少しだけ目を細めた。
｢………鍵は？｣
｢必要ありません｣
頼めますか？と。
お兄さんは少しだけ笑った。
面白そうに。
そして、少しだけ、懐かしそうに。
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秋扇(プロフ) - ．さん» そう言っていただけて本当に嬉しい限りです…、！ これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年2月1日 6時) (
レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
． - こんばんは。コメントを書くのがあまり得意では無いので簡潔に申し上げますが心から好きです… (2021年1月27日 23時) (レス) id: b56d4c311c (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - レイさん» ありがとうございます、長らく空けてしまっていて申し訳ありません。今後ともお楽しみいただけたら幸いです…！ (2021年1月1日 1時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(咲海)(プロフ) - 嬉しいです!!ありがとうございます!! (2020年10月28日 0時) (レス) id: c05eda2bfa (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 更新頑張ってください応援してます！！！ (2020年10月27日 21時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋扇 | 作者ホームページ：https://odaibako.net/u/sasamegoto0401
作成日時：2020年10月3日 22時
