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「…怖がらせてしまいましたね、申し訳ありません」
「貴方たちは、人の命を何だと思っていますか…？」
ふと、口に出してしまっていた。
先程あの人に言われたのに。
機嫌を損ねてしまえば、幼馴染が。
しかし、そんなことは杞憂だった。
エーミールさんは少しだけ驚いたような表情を見せ、微笑を浮かべた。
「おかしな事を聞きますね。私たちだって人ですよ。皆、元は普通の……いえ、能力を持った人間だったのです」
そう言った。
「…少し話をしましょうか」
昔、栄えた国がありました。
その国の王は素晴らしい能力の持ち主でした。
しかし、それは不穏な方向へ使われてしまいます。
他の国よりも強い能力を作ってしまえば戦争により有利になるのではないか、と。
均衡を保つ運営ですら、歯が立たないような能力を。
世界を跨いでさえも、全ての支配権を手に入れよう、と。
都市中から被験者を集めました。
誰も彼も、皆社会から見放された者たちでしたから止める人間などいませんでした。
ところが、その試みは失敗に終わります。
実験施設の爆発。
外部からの攻撃。
…緊急事態でした。
未完成のまま外へ出された被験者たち。
つまり、突然捕まえられて何も分からぬまま解放されたのです。
自分自身ですら扱えないような能力を付与されて。
都市は壊滅状態に陥りました。
加えて能力の暴走が起きるようになりました。
実験施設の爆発によって、濃度が高くなっていたのでしょう。
人々が能力を行使するのではなく、能力が人間を使役するかのように。
「…Aさんもお会いしたでしょう？」
この街には殺人鬼が彷徨っていますから、と。
「……Aさんは、ご自身の事がお好きですか？」
「え、…」
突然投げ掛けられる疑問。
その目はしっかりと私を捉えていた。
まるで深淵の縁をなぞるかのように。
「…わ、たしは……私は、嫌いです」
何度も思い続けてきて、初めて言葉に出したような感覚がした。
噛み締めるようにゆっくりと零す。
「では、貴方の大切な人と自分自身、どちらが大切でしょうか。やはり、大切な人ですよね？」
「はい…」
「私達も同じなんですよ。Aさんが何よりも大切で、他の命何てものは泡のように軽い。そういうものなのです」
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秋扇(プロフ) - ．さん» そう言っていただけて本当に嬉しい限りです…、！ これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年2月1日 6時) (
レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
． - こんばんは。コメントを書くのがあまり得意では無いので簡潔に申し上げますが心から好きです… (2021年1月27日 23時) (レス) id: b56d4c311c (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - レイさん» ありがとうございます、長らく空けてしまっていて申し訳ありません。今後ともお楽しみいただけたら幸いです…！ (2021年1月1日 1時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(咲海)(プロフ) - 嬉しいです!!ありがとうございます!! (2020年10月28日 0時) (レス) id: c05eda2bfa (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 更新頑張ってください応援してます！！！ (2020年10月27日 21時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋扇 | 作者ホームページ：https://odaibako.net/u/sasamegoto0401
作成日時：2020年10月3日 22時
