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一瞬理解が出来なかった。
後から遅れて痛みがやってくる。
火花が散っている。
口の中が切れた。
いい子にしていなさい。
母親が囁く。
思わず耳を塞ぐがその手も取られる。
もう、後には引けなかった。
｢お前に何が分かるんや？｣
ゆっくりと。
先程の声音とは違う、低い声。
｢…お前が、俺のものになれば全部解決すんねん、分かるか？｣
胸元のリボンが引かれる。
あぁ、せっかく貰ったものなのに。
また、使えなくなってしまう。
恐怖よりも諦観。
｢分からない、分からない…違う、それは、全部、それだったら私は貴方を受け入れない｣
初めてこんなに大きく抵抗を見せた。
目を見て、拒絶を示した。
自分自身何を口走ったか分からない。
もう、頬が痛かった。
きっと、赤くなっているのだろう。
でも、泣く訳には行かない。
｢……なんや、それ｣
徐に立ち上がる。手首は握られたまま鬱血していた。
｢…お前のそれ、ほんま邪魔やな｣
そう言ってナイフを創る。
そして、振り翳した。
咄嗟に腕を掲げる。
切り傷が出来る。
血が滴る。
熱い。
それから、鈍く、時折鋭利な痛みが駆ける。
｢…っそれでも、私はここで生きるしか、ないんです｣
死と隣り合わせ。
｢…守ってください、私を、そしたら、｣
_______________私は、素直に受け入れます。
私は、きっと昔からそうだった。
殴られても、蹴られても、首を絞められても、鈍器をぶつけられても。
助けを求めずに耐え続けられる。
それは、死なないと分かっていたから。
｢信じるわけないやろ、どうせ逃げる。分かってんで｣
｢逃げません、もう、……もう、逃げる場所もないんです｣
そう言うとゆっくりと手首が解放される。
傷口が2つ。
血が、滲んだ。
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秋扇(プロフ) - ．さん» そう言っていただけて本当に嬉しい限りです…、！ これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年2月1日 6時) (
レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
． - こんばんは。コメントを書くのがあまり得意では無いので簡潔に申し上げますが心から好きです… (2021年1月27日 23時) (レス) id: b56d4c311c (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - レイさん» ありがとうございます、長らく空けてしまっていて申し訳ありません。今後ともお楽しみいただけたら幸いです…！ (2021年1月1日 1時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(咲海)(プロフ) - 嬉しいです!!ありがとうございます!! (2020年10月28日 0時) (レス) id: c05eda2bfa (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 更新頑張ってください応援してます！！！ (2020年10月27日 21時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋扇 | 作者ホームページ：https://odaibako.net/u/sasamegoto0401
作成日時：2020年10月3日 22時
