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唐突に差し出された疑問。
何故。何故逃げたか。
この空気が怖い。
凍り付くような。
肌に刺すような寒さが。
｢…あ、何言うても変わらへんで？俺は別に怒らへんし、気になっとってん｣
そう明るく言うが、瞳の底が淀んでいる。
全てが信じられなくなりそうな、瞳。
それか、全てのものが信じられない瞳、と言った方が妥当か。
｢…死ぬのは、怖いからです｣
正直に言った。
死にたい、と思うことは多かったが、実際死ぬとなると何よりも怖いものだということは理解しているつもりだった。
｢……なるほどな。分かった｣
じゃあ守ったるわ、と。
理解が出来なかった。
あれだけ苦しませておいて何を言っているのだろう、と。
｢……どういう意味ですか？｣
｢言葉通りや。守ったる。他の奴らから、……特にショッピな。あいつの傷やろ、それ｣
指を指したのは、包帯とガーゼ。
これは、一種の呪術に近いものだった。
未だに痛む。
『この痛み、忘れないでくださいね？』
きっと傷を見る度にあの恐怖を掻き立てられるのだろう。
｢……なぁ、今誰のこと考えた？｣
｢………何も、考えてません｣
｢どうせショッピのことやろ。……知っとるか？｣
_______________疑わしきは罰したほうがええんやで。
｢え、｣
｢……守ってやるわ。……その前に、それに上書きしてからな｣
それ、とは何を指しているのだろうか。
傷か。
もしくは、恐怖心の対象か。
そんなことを考える間もなく、痛みが襲う。
右手から血が滴る。声を堪える。
痛みに耐えきれず、座り込む。
それが、相手を喜ばせる行為だと知らずに。
視界の隅に映る透明度の高い剣に、赤が滲んでいた。
そしてそれは次第に砕け、粉が舞う。
｢なぁ、苦しい方が楽しいやろ？｣
そう言ってしゃがみこみ、髪を掴まれる。
強制的に目を合わせられる。
先程まで淀んでいた瞳は、炯々としていた。
その右手は、私と同様に、赤が滲んでいた。
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秋扇(プロフ) - ．さん» そう言っていただけて本当に嬉しい限りです…、！ これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年2月1日 6時) (
レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
． - こんばんは。コメントを書くのがあまり得意では無いので簡潔に申し上げますが心から好きです… (2021年1月27日 23時) (レス) id: b56d4c311c (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - レイさん» ありがとうございます、長らく空けてしまっていて申し訳ありません。今後ともお楽しみいただけたら幸いです…！ (2021年1月1日 1時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(咲海)(プロフ) - 嬉しいです!!ありがとうございます!! (2020年10月28日 0時) (レス) id: c05eda2bfa (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 更新頑張ってください応援してます！！！ (2020年10月27日 21時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋扇 | 作者ホームページ：https://odaibako.net/u/sasamegoto0401
作成日時：2020年10月3日 22時
