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ロボロの言いたいことは分かる。
だからこそ、理解ができない。
｢ロボロ、死体は動かへんぞ｣
もしそれが死体だと言うのであれば、だが。
それはロボロも理解しているだろうし、だからこそ不可解な点であることも紛うことなき事実でもあった。
｢あの、すみません。……死体が動くってことは…実験ですか？｣
ショッピが珍しく口を挟む。
実験。人体実験のことだろう。
｢そうですね。それすら可能かも分かりませんが…一番考えられるのはのはそれでしょう｣
｢………前回の、施設の残党じゃないっすか？｣
｢…そう考えられますが………、どうなんでしょうか｣
エーミールは少しだけ目を伏せた。
｢……複雑になってきたな。コネシマ、あの時その施設にいた人間は一人残らず殺したんだろう？｣
｢せやで。あの状態で生かす方が酷やろ｣
俺が行った時は、実際に酷い有様だった。
腐敗臭が蔓延し、血が散乱。死体の山の傍にある部屋に不規則な年齢の子供が怯えていた。
中には精神が壊れていた者もいた。
戦場で慣れているからと言って高を括っていた隊員の中には嘔吐く者や、狂気に見舞われる者もいた。
もちろん、詰められていたのは失敗作だったが。
｢なぁ、シッマ｣
トントンが何か悩んでいるかのように視線を落としていた。
｢なんや｣
｢その時大先生はどうやった？｣
｢……普通やった。でも途中でゾムと場所変わったやろ？そこからは別行動やねん……合流した時は別に普通やったと思うけど…｣
トントンは大先生がどこでそれを拾ってきたのか考えているのだろう。だが、その施設はどれだけ拡大解釈してもよく知っている場所とは言えない。
｢ああ〜、あかんわ。頭が回らへん｣
煙草吸ってくるわ、と席を外す。するとエーミールも一緒に席を立つ。
気がつけば空は既に暗くなっていた。
煙が空に誘われる。
｢エミさんはどう考えとる？｣
｢そうですね。………まだ、分かりません。ですが、早く解決しなければなりませんね｣
｢せやなぁ。……なんかやることあったら言うてええでな、遠慮せず｣
｢ありがとうございます｣
エーミールも俺も、煙の奥に見える姿を追っていた。
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秋扇(プロフ) - あっぷぅティーさん» そのように褒めていただけて嬉しい限りです…！ 今後ともお楽しみいただけますよう精進致します、ありがとうございます…！ (2021年2月7日 16時) (
レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷぅティー - 豊かな言葉遣いと重厚なストーリーに圧倒されてしまいました！まるで一冊の秀抜なミステリー小説を読んでいるようでした…。新参者ですが続編も応援させていただきます！ (2021年2月5日 22時) (レス) id: 9e25397495 (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - クノラさん» ありがとうございます…、また何か問題等ありましたらご指摘いただけると助かります…！ (2020年9月10日 21時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
クノラ - 秋扇さん» いえいえ、気づけたのでしたら何よりです。無理しない程度に頑張ってください....汗 (2020年9月10日 12時) (レス) id: ae6f6e8b65 (このIDを非表示/違反報告)
枯渇(プロフ) - いいえ、お疲れ様です。ありがとうございました。 (2020年9月10日 6時) (レス) id: cb6a865d2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋扇 | 作者ホームページ：https://odaibako.net/u/sasamegoto0401
作成日時：2020年8月23日 22時
