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｢エミさん｣
思い出したかのようにトントンさんが口を開いた。
｢何でしょうか？｣
｢……モールス信号分かるやんな？｣
あの時のコネシマさんと同じ質問。
｢それが……コネシマさんから教えて頂いたあの信号、どの文献にも載っていないものなんです｣
｢え、嘘やろ…｣
｢もしかしたら私が間違えて覚えてしまっている可能性があるのでもう一度コネシマさんのところに行く予定だったんです｣
一度だけ悩んだ素振りを見せたが徐に口を開いた。
｢…まだ覚えとるで｣
そう呟くとトントンさんが机を小突いた。
あの時聞いたものと同じものを。
静かな部屋に小さく響く音。
不規則に、乱れるリズム。
モールス信号であれば規則があるはずなのに。
それが、無い。
先程まで見ていた書類を思い返す。
しかし、一致するものはない。
だか、ここに一人だけ、これを知っている人がいた。
｢それは、本当にコネシマが聞いたのか…？｣
グルッペンさんが、書類を置いて目を見開いた。
珍しく表情を崩していた。
｢グルさん知っとるんか？｣
｢……あぁ。コネシマを呼んで欲しい。確かめたいことがある｣
そう呟いた。
何も言わずに、トントンさんが部屋から出ていった。
グルッペンさんと2人。
｢グルッペンさん、知っていたんですか？｣
｢…正直驚いた、もう一度これを聞く事になるとはな｣
そう言って窓の外に目をやった。
どこを見ているのか分からない。
ただ、遠くを見つめていた。
コネシマさんとトントンさんが揃った。
｢で、なんで俺を連れてきたん？｣
不思議そうに首を傾げる。
緊迫した雰囲気。
その空気に勘づいたのか、神妙な面持ちになる。
｢少し聞きたいことがある。そのモールス信号、……いや、これはモールス信号ではないな。暗号をどこで聞いた？｣
｢え、俺の部屋やけど…｣
私もトントンさんもそれを聞いて何になるかは分からない。
しかし、グルッペンさんが確実に何かに迫っているということだけは分かった。
息を飲む。
｢質問を変えよう。それは、｣
_______________早朝に聴こえるか？
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秋扇(プロフ) - あっぷぅティーさん» そのように褒めていただけて嬉しい限りです…！ 今後ともお楽しみいただけますよう精進致します、ありがとうございます…！ (2021年2月7日 16時) (
レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷぅティー - 豊かな言葉遣いと重厚なストーリーに圧倒されてしまいました！まるで一冊の秀抜なミステリー小説を読んでいるようでした…。新参者ですが続編も応援させていただきます！ (2021年2月5日 22時) (レス) id: 9e25397495 (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - クノラさん» ありがとうございます…、また何か問題等ありましたらご指摘いただけると助かります…！ (2020年9月10日 21時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
クノラ - 秋扇さん» いえいえ、気づけたのでしたら何よりです。無理しない程度に頑張ってください....汗 (2020年9月10日 12時) (レス) id: ae6f6e8b65 (このIDを非表示/違反報告)
枯渇(プロフ) - いいえ、お疲れ様です。ありがとうございました。 (2020年9月10日 6時) (レス) id: cb6a865d2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：秋扇 | 作者ホームページ：https://odaibako.net/u/sasamegoto0401
作成日時：2020年8月23日 22時
