- ページ29
【黄色】
｢嫌やで｣
え、と困惑の色を見せて貴方の思考が止まってしまいます。
ごめん、と小さく呟き部屋を出ようと背を向けました。
しかし、貴方を呼び止める優しい声が聞こえます。
｢なぁ、A｣
こっち向いて、と手を握られます。
彼を見ると、先程よりもずっと真剣な瞳。
｢俺と、結婚してくれへん？｣
貴方よりも先に伝えたいから。
【桃色】
｢ん、……はぁあ？！｣
作業に没頭する彼の横で、何気なく呟いてみました。彼は一度返事をしましたが、意味を理解したのか大きく声上げます。
｢は？ちょ、待ってぇや｣
計画台無しやん、と頭を抱えて蹲りました。
話を聞くと、いつ言おうかずっと考えてくれていたようです。
｢…結婚はする、するけど、｣
頬を赤らめ、恥ずかしそうに呟きました。
｢……俺から言うまで、待っといてくれへん？｣
貴方には自分から伝えたかったから。
【黄緑色】
｢…それ、ほんまなん？｣
意外にも彼は跳ねて喜ぶことは無くその言葉の真偽を尋ねます。
それは自身の立場によって貴方に危害が及ばないか心配するが余りなのでしょう。
本気、と告げると先程の表情とは打って変わって貴方を抱きしめ皆に言いに行くと駆け出しました。
｢ごめん、疑って。でもな、｣
そう言って自信満々に笑いました。
｢何も心配いらんかったやん。俺が守るだけやし｣
貴方を奪うなんてことは誰にも出来ないから。
【茶色】
｢…素敵ですね｣
彼は小説の一節だと思っているのでしょうか。自身に向けられた言葉ではないように返事をしました。
戸惑いを隠す為貴方は手元にある本に目を向けます。
｢ところでAさん｣
彼は本を閉じ、真剣な眼差しで貴方を見つめます。
覚悟を決めたような瞳でありながらも、どこか躊躇が見えるような表情でした。
｢…先程の台詞を私が貴方に告げてもいいですか？｣
貴方となら幸せな未来を築けそうだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 413人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
秋扇(プロフ) - ロアさん» かしこまりました。喜んで書かせて頂きます。お気遣い痛み入ります。更新までもう暫くお待ちいただけますと幸いです。 (2021年11月19日 22時) (
レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 秋扇さん» 返信ありがとうございます。リクエストの件、了解しました。では、主人公が悪夢を見た主役の話を聞く、と言うのが読んでみたいです。作者様のペースで大丈夫ですので、よろしくお願いします。 (2021年11月18日 15時) (レス) id: 16ef5a014f (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます。お褒め頂き大変嬉しく思います。リクエスト等受け付けておりますが更新までお時間いただくと思います。それでも差し支えなければどうぞお申し付けくださいませ。 (2021年11月18日 5時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 初コメ失礼します。こちらの作品に出会えた事を心から感謝したいです。この作品と作者様の甘やかで、静謐な空気を感じられる文章が大好きです。また、リクエストなどは受け付けておりますでしょうか？不躾ですが、お答え願えると幸いです。長文、失礼致しました。 (2021年11月17日 16時) (レス) id: 16ef5a014f (このIDを非表示/違反報告)
秋扇(プロフ) - 鹿野ユズナさん» お久しぶりです。リクエスト、そして応援ありがとうございます…！喜んで書かせていただきます、更新頻度はゆっくりですがお待ちいただけると幸いです。お褒めの言葉、本当にありがとうございます。 (2021年7月4日 8時) (レス) id: a73cd4cc12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：秋扇 | 作者ホームページ：https://odaibako.net/u/sasamegoto0401
作成日時：2021年3月28日 0時
