Episode TOW ページ5
episode two
「Aちゃん、おはよう！」
2年A組のドアをくぐると声をかけられた。。
「おはよ」
一応、フツーのしょうがくせいのフリをして小学校には通ってる。
周りが不審がるからって。
私のパパは死んだ事になってる。
私のパパはすごい。
あの、大富豪、烏丸家の当主だから。
世間的には死んだ事になってる。
パパはある薬のおかげいつまでも元気だ。
だから、私のパパになる事もできた。
周りには変に思われるから言わない約束になってる。
私のママは、私を産んでからすぐに死んじゃった。
でも、寂しくない。
パパの仕事仲間が沢山いるし、その人たちはたまに私と遊んでくれる。
パパのお手伝いも嫌いじゃない。
スパイみたいでワクワクするし、ド○○キする。
私の事をコドモだからって油断してた悪い人達の表情がいきなり変わるのが面白くてしょうがない。
馬鹿な大人が多い世の中。
私は馬鹿になりたくない。
私はパパの様になりたい。
「Aちゃん、明日、私の誕生日パーティーを開催するの。よかったらいらっしゃらない？」
ここは一応、名門の私立小学校。
私のパパは大富豪だから、こんな小学校にいれた。
多分、フツーの小学校だったら、私はみんなと違いすぎるから、ちょうど良かったのかも。
「じいやとばあやに聞いてみるね！」
私は、『パパもママもいない、じいやとばあやとお手伝いさん達と暮らしてる可哀想な子』で通ってる。
「うん！ 楽しみにしてるね！」
パパの教えてくれた術でクラスには上手に馴染めてると思う。
時々、変な気を使われる事はあるけど、それでも困る事はないかな。
｡･*･:♪
「ジン、パパみなかった？」
「ボスならさっき、出掛けていったぞどうした」
「んー、ちょっと明日出掛けて良いかなって」
「電話したら？」
「いーや、出掛けてる時に電話すると怒る事あるから。明日、出掛けちゃう」
別に、友達の家に行くくらい大丈夫でしょ。
招待してくれたのは、大蓮寺 美雪ちゃん。
大蓮フードの社長令嬢だ。
「どこに行くんだ？」
「クラスの子のおうち」
ジン、行きたいのかな？
でも、こんなの護衛に連れてけないよ。
みんなびっくりしちゃう。
「そうか、楽しんでこいよ、カルーア」
「うん」
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作者名：英 優美 | 作成日時：2021年7月21日 21時
