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Episode ONE ページ2

そう、それは小学生の低学年頃の話。

•*¨*•.¸¸☆*・゚

「カルーア、次のターゲットはコイツだ」

そう言って、髪の長い男が私に1枚の写真を渡す。

「アンタ誰?」

「あぁ、最近パパからコードネームもらった人」

「ああ。そんなところだ。お前は、あの方のガキなのか?」

「? そだよ?」

みんな知っている"シュウチノジジツ"ってヤツだと思ってたけど、コイツはそれを知らなかったみたい。

みんな、あの人のコドモって知ると必要以上に優しく丁寧になる。
もしくは、一定の距離を置き、関わろうとしない。

そして、あの人のコドモと知る前の扱いの酷い事、酷い事。

まぁ、どうでも良いんだけど。

「なるほど。よろしくな」

コイツはどのタイプ?

「うん。で? ターゲットはどんな奴なの?」

「江原 崇 45歳。この前あった轢き逃げの犯人だ。ヤリカタは何でも構わない。できるか?」

「できるよ。私にできないコロシなんてないんだから」

モノゴコロついた時にはもうハンドガンを握っていたし、小学校に上がる記念にはランドセルと一緒にC4キットをもらったし。
そーゆー物だと思ってた。

「いつ実行? 私はいつでも構わないけど」

「1秒でも早くとの事だ。今から行けるか?」

「OK!! ……パパも人なんか使わないで直接私に言えば良いのにっ」

「カルーア」

「準備してくる!」

ジンってやつを置いて私は自室へ向かう。

変な奴だな、アイツ。
男のくせに髪の毛は長いし、銀髪?
分厚いコート着てるし。
今は真夏だよ? 頭おかしいんじゃ?

自室に着くとすぐにクローゼットを開けた。
今着てる服は上下真っ黒のジャージ。

流石に、この格好で外に出たらお巡りに声をかけられてめんどう。

私のクローゲットは黒い服しか掛かってない。
他の色は着た事ないし、別に着たいと思った事もない。
ゴシックロリータ? だっけ? ゴスロリ? みたいな服もあるし、黒い服って結構スキ。

犯人はひき逃げ野郎。

ハンドガン……グロックで十分かな。弱そうだし。

服装も、そんなに動きやすいのじゃなくていいか。

黒のタイツ、黒のミニスカート、黒のブラウス。
黒色の髪に黒い帽子、黒い手袋。

黒ずくめのカルーアの完成。

太腿にホルスターを付けて、そこにグロックを押し込む。ロックもしっかりかけて……
スカートを下ろせば完璧。
まさかこんなガキがハンドガンを隠し持ってるなんて誰が想像できる?

さて、あの変な男のところへ向かうとしよう。

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作者名:英 優美 | 作成日時:2021年7月21日 21時

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