米:君色のキャンパス 3 ページ13
取り合えずスケッチブックを片手でお腹に抱き抱え、もう片方で急いで道具をバッグに入れて乱暴に掴んで立ち上がり、小走りで向う先は丘の上。
足を踏ん張って丘を登ると、楓の木の下の人影がはっきりと確認できる。
「わぁお!……お、おぅ?」
あまりのことに立ち止まりそうになってしまいそうだった。が、なんとか足をうごかす。
質の良さそうな短いブロンドの髪の毛は、雨の混じる風にサラサラと揺れ、思わず触りたくなる衝動に駆られる。でも頭から下に目をやると、まあがっしりとした体つきだと思い、そこでまず、男であることを悟ってちょっとがっかりした。
だけど問題はそこではなくてその男の雰囲気だ。きっとダンディなおじさまか、スポーツ少女だと確信していたわたしも悪い。自分の理想を他人に押し付けるのは悪いことだ、でもそれにしたってあまりにも違うというか、私の理想とは真逆すぎた。
ダンディでもなければおじさまでもなく、スポーツっぽいけど女の子じゃない。そうか、これがカルチャーショックというものか。
バカなことを思いながら木の下に入る。歩いているうちに少し雨が強くなっていたようで、お腹に抱えて守っていたスケッチブックこそ無事なものの、服もバッグもびしょびしょに濡れてしまっていた。
木の根元に持っていたものを降ろすと、横から声が飛んできた。
「Hey!君、ずいぶんと濡れてるけど大丈夫かい?」
やっぱり、思ってたよりもテンション高いなと思いながら男の方を向くと、あれ?と目を見張った。
イケメンじゃん。
意外と私の近くに来ていた男の、結構整っている顔がよく見えた。クラスにもイケメンはいるのでそんなもの見馴れているけどね。
「ん?Wow!これはなんだい?!」
男が叫び声を上げるが、男のしているメガネを視界にとらえたわたしは、興味が男本体から男のメガネに入れかわり、男の言ってることは右から左にすり抜ける。
男は置いてあるスケッチブックを手にとって声をあげる。
「え!え!これってこの木かい?!」
国語の先生と同じ色のフレームだなあ、なんて考えていると、視界からメガネが消えたことでハッっと意識が正常に戻った。
「わ!この木ですけど、勝手に見ちゃダメですよ!」
見られて困ることは無いけどあわてて奪い返す。
「あ!これは俺だろう?!なかなか上手に描けてるじゃないか!」
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そら色ぱんだ(プロフ) - イチゴフラペチーノさん» コメントありがとうございます。その言葉を待っていました!後でフェリちゃん視点の話を書く予定ですのでそちらで分かると思います。でもヒントを出すとしたら、フェリちゃんのお願いは絶対叶いますよ。 (2017年8月5日 11時) (レス) id: a29f2cd473 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴフラペチーノ - フェリちゃんが主人公のお話でフェリちゃんとルートが何をお願いしたのか気になります! (2017年8月5日 0時) (レス) id: e3c16ab556 (このIDを非表示/違反報告)
そら色ぱんだ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます!その一言でやる気が溢れてきます! (2017年5月14日 12時) (レス) id: 115534a937 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - とても面白かったです!頑張ってください (2017年5月12日 23時) (レス) id: 1ce20541ad (このIDを非表示/違反報告)
そら色ぱんだ(プロフ) - maoさん» それはよかったです!ありがとうございました! (2017年4月30日 12時) (レス) id: 115534a937 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そら色ぱんだ | 作成日時:2017年2月19日 3時